花粉症が最も深刻なのはカンザス州ウィチタ市、次いでニューオーリンズ アレルギーの季節到来で報告書(3/25)

【ロサンゼルス21日】春の訪れとともに、アレルギーの季節もやってきた。毎年、米国では1億人以上が季節性花粉症を含むアレルギーを経験している。「米国喘息・アレルギー財団」はこのほど、2025年に向けた年次報告書を発表し、季節性アレルギーを抱える人々にとって最も困難な米国の都市をランク付けした。

 この報告書では、花粉の飛散量、市販のアレルギー薬の使用状況、アレルギー専門医へのアクセスなどをもとに、全米上位100都市をランク付けしている。

 カンザス州ウィチタ市は3年連続で、花粉症患者にとって最も厳しい都市にランク付けされた。南部と東部の都市が最も大きな被害を受けている。 

 昨年34位だったニューオーリンズは、今年は雑草の花粉が急増したため2位に急浮上したが、これは9月に上陸したハリケーン「フランシーヌ」による湿気の影響と思われる。また、ルイジアナ州では2024年11月が観測史上最も暖かく、気温の上昇により雑草の生育期が長引いた。

 アレルギーの心配が最も少ない都市はボストンで、花粉の少なさとアレルギー専門医の多さが起因。

 国内でアレルギーの深刻度が高い都市は南部と西部に集中しているが、今回は西部に変化が見られた。例えば、2024年に雨量が増えたカリフォルニア州では草木の成長が早まり、これに伴い花粉の飛散量も前年度に比べて増えた。こういった理由で今年、カリフォルニア州のサクラメント、ベーカーズフィールド、ストックトン、サンノゼ、フレスノ、オックスナード、ロサンゼルス、サンフランシスコなどの都市がアレルギー患者にとって困難な都市に急浮上した。

 「米国喘息・アレルギー財団」によると、気候パターンが変化するにつれ、気候変動によりアレルギーの季節の始まりが早くなり、長く続くようになっているといい、地域によっては、木や草、雑草の花粉が一年中飛散しているエリアもあるという。さらに、気温の上昇は都市部に熱を閉じ込め、大気汚染を増加させ、花粉の発生を増加させるという。

 同財団のリサーチ・ディレクターであるハンナ・ジャフィーさんは、どこに住んでいてもアレルギーを和らげることができる選択肢がたくさんある、とアドバイスする。それらは、家の中に入る前に靴を脱ぐ、屋外活動の後は服を着替える、寝る前にシャワーを浴びて寝具に花粉が入るのを防ぐなどで、家の中に花粉を持ち込まないようにすることが大事だと述べた。また、花粉の飛散量を毎日チェックし、飛散量の少ない日に屋外での活動を計画する、花粉シーズンが始まる2週間ほど前からアレルギー薬の服用を開始し、花粉のピークが来たときに確実に効果を発揮するよう備える、などのアドバイスをした。

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