最先端テクノロジーを生かし より多くの成功へと導く (前編)

最先端テクノロジーを生かし
より多くの成功へと導く (前編)

フランク・イエリアン,MD,PhD(Life IVF Center 院長)

■Frank Yelian,MD,PhD(フランク・イエリアン・Life IVF Center院長)。2010年に不妊治療施設「Life IVF Center」をオープン。同センターでは過去14年間で5000人以上の赤ちゃんの誕生をもたらすことに成功している。

アメリカでは毎年、何百万人もの人が不妊の悩みに直面している。そんな人々を救うべく最先端医療に情熱を燃やす医師がいる。不妊治療専門医であるフランク・イエリアン,MD,PhD(Life IVF Center院長)だ。イエリアン院長へのインタビューを前編・後編の2週に続けてお届けする。

 2010年にオープンした不妊治療施設「LifeIVF Center」は現在、アーバイン市とアーケディア市の2拠点を展開。全米でも数少ない「NaturalCycle IVF(自然周期体外受精)」を採用していることで広く知られている。Natural Cycle IVFとは、自然妊娠と同様に月に1つの卵子を採卵して受精・培養する治療法で、投薬や注射を最小限におさえるため身体への負担が軽減されるほか、排卵誘発剤などに起因する副作用や合併症のリスクが減少。Natural Cycle IVFは、従来のIVFと比べて費用も半分以下に抑えられるなど多くのメリットがある。

 医療の研究は秒進分歩。体外受精の分野も大きく変化していると話すイエリアン院長。「ここ数年で特に目覚ましいのは、AIに応用された医療テクノロジーの発展です。実は最近、博士論文を執筆中の博士課程の学生と仕事をしました。そのプロジェクトでは、体外受精にOpenAI(オープンAI)を使用しました。それにより、最も良質の卵子や胚を得ることができた。最先端医療による素晴らしい結果はこの他にも多数報告されています。また、テクノロジーの発達により治療プロトコル(治療手順や治療計画)も変更されるなど様々なことが変わってきているのです」

 また同センターでは、「妊孕性(にんようせい)」を維持したい、すなわち「妊娠するための力」を維持したい女性のために、卵子凍結の新しい技術を使用してサポートを行っている。「本日来院した患者さんの中に45歳の女性がいます。彼女が私のところへ初めて来たのは40歳の時で、当院で卵子凍結を行いました。しかしその2年後、彼女は乳がんと診断され、手術と化学療法を受け、臓器機能が低下。その後、44歳で結婚して子供を持ちたいと希望しましたが、臓器の状態が良くなかったため採卵は難しかった。それで5年前に当センターで凍結した卵子を使ってめでたく子供を持つことができた。今日、彼女は私にかわいい赤ちゃんを会わせてくれたんです。新しいテクノロジーを生かすことがより多くの成功をもたらすことを可能にし、より多くの患者さんの願いを叶えることができる。私はそこにやりがいと喜びを感じます」。

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