国際感覚を育む バイリンガル教育の現場

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竹井カヨコ 
Kayoko Takei

バイリンガル教育指導者

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■優秀なバイリンガルを育成する「TLC for Kids」のLA校を2021年より運営。教育者であり起業家の竹井カヨコさん。ロサンゼルスのエレメンタリスクールに通う10歳の娘と8歳の息子の母でもある。インスタグラム@kayoko.takei

 「遊Vitor」ユウ・ビトーと読む。アーティストとして活動するその名前については「父が日本人、母がブラジル人。日本名であるユウ(遊)とブラジルの姓であるVitor。日本とブラジルの血が流れる唯一無二のアーティストになりたい」こう話す。

「日本から来てアメリカで子育てをするうえで、一度は直面する言語の違いやカルチャーギャップの壁。しかし裏を返せば、壁を感じるからこそそこに真摯に向き合うようになり、英語が上達し、異文化に触れコミュニケーションの取り方を身に付けていく。それが成長に繋がり、大変さが喜びに変わっていくものだと思うんです」。優秀なバイリンガルを育成する「TLC for Kids」のLA校を2021年より運営する竹井カヨコさん。教育者として活動するこれまでのキャリアの中で幾度かの転機があった。

 広島県で生まれ育った。もともと子供が好きで小学校の先生を目指すようになり、大学は広島大学学校教育学部に進んだ。大学卒業後に初めに勤務した広島市教育委員会生涯学習課では、様々なバックグランドを持つ子供たちの学習のサポートを行った。「虐待を受けているお子さんや不登校のお子さんなど様々な事情を抱えるお子さんがいました。また彼らの親御さんも助けを求めていたり、当たり前のことが当たり前ではない社会の状況に向き合う経験をしました」。その翌年は広島市の小学校に配属となり、一年目から担任を受け持った。「憧れの教員生活が始まったものの理想と現実に打ち砕かれ憔悴の日々でした。任務の重圧と大量の業務に追われ、心と身体が悲鳴を上げて休んでしまったこともありました。でも2年、3年と教師をしながら、他の先生方と連携を取り、保護者の方々とコミュニケーションを上手く取りながら、いかに子供たちが楽しく学校生活を送れるかに注力した教員生活でした」。4年間の教員生活を送り、その後はいったん教育現場を離れた。「大学を卒業してすぐ教師一辺倒の世界で生きていました。そこから飛び出て見聞を広め、人としての幅を広げ、そして再び教育に戻ってみたい気持ちが湧き出てきたんです」

■教壇に立つ竹井さん(広島市の小学校教諭時代)


 バイリンガル教育者として転機が訪れたのは結婚して子育てが始まってからのこと。「夫と子育てについて話していた時に、子供には国際感覚を身に付けて広い世界で活躍できる人間に育ってほしい、それなら海外で子供を育てようと、1年間のお試し移住でハワイに向かいました。その飛行機の中で、たまたま読んだのが船津徹先生の著書『世界標準の子育て』でした。どうすれば我が子に国際感覚が身に付くのだろうかとあらゆる本を読んだ中で、その本は様々な観点から具体的に書かれていて私にとって本当にわかりやすかった。飛行機を降りた瞬間に船津先生が塾長を務めるTLC for Kidsホノルル校に電話をかけて体験レッスンを申し込みました」

 竹井さんがTLC for Kids LA校というバイリンガル教育の現場に立って4年。「アメリカに住む多くの子供たちが言葉のバリアを取っ払い、自信を持っていろんなことに挑戦していける、そのお手伝いをしていけたらと思っています」

■竹井さんが企画したTLC for Kids創設者である船津徹先生の講演会にて(東京)

(10/2/2024)

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