加州のニューサム知事が中国訪問 気候変動で協力を推進(10/19)

【ロサンゼルス18日】化石燃料の排出量増加により地球の気温が記録的な高さまで上昇を続けるなか、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事が来週、中国を訪問し、洋上風力発電、大気汚染削減、完全な電気自動車への移行といった環境問題に関して政府高官と会談する。

 ニューサム知事は、環境問題への関心が高い、香港に近い広東省の深圳市と広州市を訪問する予定。両市は、カリフォルニア州の「キャップ・アンド・トレード型排出量取引制度」に興味を示し、市場ベースの炭素排出プログラムを試験的に導入しており、ニューサム知事は地元当局者とともに、産業界の脱炭素化とクリーンエネルギーの促進に関する協定に署名する予定。

 この訪問は、気候変動政策における国家リーダーとしてのニューサム知事の評価を高めることになりそうだが、ワシントンと北京の経済的・軍事的緊張が高まっているさなかのことで、その行方が注目される。

 世界最大の温室効果ガス排出国同士の摩擦は、二国間の協力を困難にしているが、専門家によれば、カリフォルニア州は中国に国際協力を促し、気候変動に焦点を当てたパートナーシップを構築する「サブナショナル」外交を通じて、このギャップを埋める手助けができるという。

 カリフォルニア州は、少なくともシュワルツェネッガー知事時代から、中国の地方自治と気候に関する協議を行ってきた。しかし、主要な提携が本格的に始まったのは、ジェリー・ブラウン知事が2013年に中国との間でクリーンエネルギーの促進、二酸化炭素排出量の削減、その他の気候変動目標に向けた共同努力を約束する覚書に署名したため。

 現在、中国は世界の二酸化炭素排出量の約30%を占めており、これに対してアメリカは約14%、カリフォルニアは1%にも満たない。カリフォルニア州は2045年までに、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる「カーボンニュートラル」を達成することを目標に掲げ、中国は2060年を目標にしている。

 ニューサム知事はまた、中国を訪問する前の20日に、情勢が緊迫しているイスラエルに立ち寄ることを急きょ発表した。訪問場所や会う相手などは明らかにしていない。

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