ユダヤ新年「ローシュ・ハッシャーナー」前に、警察が注意呼び掛け(9/15)

【ロサンゼルス14日】ユダヤ暦の新年祭「ローシュ・ハッシャーナー(Rosh Hashana)」が15日の日没とともに始まることを受け、警察当局は、反ユダヤ主義者による嫌がらせや犯罪などへの警戒を高め、注意を呼び掛けている。

 南カリフォルニアでは現在、反ユダヤ主義的事件が記録的な高水準にあり、ユダヤ教施設への嫌がらせなどが相次ぎ報告されている。中でも増えているのが「swatting」と呼ばれる犯罪で、これは、緊急通報用電話番号を悪用し、何らかの事件が起きているという虚偽の通報をすることで、対象の元に警察の緊急部隊などを派遣させる悪質なネット犯罪の一種。例えば、「爆弾を仕掛けた」「殺人が進行中だ」「人質がいる」「自殺願望がある」「殺人願望がある」「武装している」などの虚偽の通報が報告されている。

 アルタデナ市のシェリフ局には12日、何者かがライフル銃を持ってアルタデナ郊外にある「Pasadena Jewish Temple & Center」の敷地内におり、トイレにこもって自殺すると脅している、との通報があった。これに伴い近くの「B’nai Simcha Community Preschool」には避難命令が出たが、シェリフ局の保安官が現場を捜索した結果、通報内容は虚偽であることが判明した。

 「Anti-Defamation League of Los Angeles」と「Jewish Federation of Greater Los Angeles」は8月、この地域における反ユダヤ主義をより効果的に防止し、対応するためのパートナーシップ「Southern California Jewish Security Alliance」を結成すると発表した。

 「Anti-Defamation League of Los Angeles」が毎年3月に発表している「反ユダヤ主義事件の監査」によると、ロサンゼルス地域を構成する4郡(ロサンゼルス、リバーサイド、サンバーナーディーノ、カーン)では2022年に237件の事件が記録され、2021年に報告された182件から30%増加した。 企業、礼拝所、学校に対する破壊行為は86件で、2021年に報告された64件から34%増加、暴行行為は8件で、2021年に報告された14件から43%減少した。

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