反ユダヤ発言のカニエ・ウェスト、Adidasなどが契約解除(10/25)

【ロサンゼルス25日】反ユダヤ的な発言を繰り返し物議を醸している、現在はYeの名前で活動するラッパーのカニエ・ウェストに対し、Adidasが25日、同氏との契約を解除すると発表した。

 カニエ・ウェストとAdidasは7年前に提携し、「Adidas Yeezy」というファッションブランドを立ち上げた。Adidasは声明で、このブランド展開の即刻停止を表明。「反ユダヤ主義やその他のいかなる種類のヘイトスピーチも容認しない。Yeの最近のコメントと行動は受け入れがたく、憎しみに満ちた危険なものであり、多様性と包括性、相互尊重と公平性という会社の価値観に違反する」と説明した。報道によると、カニエ・ウェストとの契約解除でAdidasが見積もる今年の収益減額は、最大2億4,600万ドルにのぼる。

 反ユダヤ主義発言をめぐっては、ハリウッドの大手タレントエージェンシー「CAA」も24日にカニエ・ウェストをクライアントから外した。バレンシアガ、ギャップ、JPモルガンも同氏との関係を終了したと報じられている。

 ロサンゼルスでは23日に、フリーウェイ405号線にかかる橋梁で、反ユダヤのデモ隊が集まりカニエ・ウェストを賞賛する横断幕を掲げ、ナチスの敬礼をする写真が撮られるなど、同氏の発言による影響が広がっている。

 カニエ・ウェストは今月10日、自身のツイッターで、「ユダヤ人に”デス・コン3”を仕掛ける」と、米軍の防衛態勢強化を示すコードを使った造語とみられるツイートをし、TwitterとInstagramのアカウントが凍結された。

 ロサンゼルスのホロコースト博物館は、騒ぎの沈静化を目指して、反ユダヤ主義発言をしたカニエ・ウェストに同館へのプライベートツアー参加を促したが、カニエ・ウェストはこれを拒否。その後、同館には反ユダヤ的なメッセージが殺到しているという。

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