鈴木利沙: 一筆一筆に魂が宿る 表現としての「書」を伝えたい

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鈴木利沙   
Risa Suzuki

書道アーティスト/モデル/広告デザイナー

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昨年7月に渡米。現在ロサンゼルスにて、書道アーティスト、モデル、広告デザイナー、クリエイティブディレクターとして本格始動した鈴木利沙さん。
http://risalligraphy.com/
Instagram: @monarisa1006 

書道家、モデル、広告デザイナー、クリエイティブディレクターとして活動する鈴木利沙さん。それらの肩書きは一見まったく異なる分野だが、彼女にとっては、全て「書」から派生している。

 幼い頃から絵を描くことが好きだった鈴木さんが、字をきれいに書きたいと書道を始めたのは小学3年生の時だった。「書道では一般的にお手本通りに整然とした文字を書くことを求められるのですが、習い始めてみたら、お手本を見て型にはまった字を書くことに意義を見出せなくなったんです。私にとって、絵も書も同じ。一筆一筆には魂が宿っています。筆をとることで魂の向くままに自由に自己を表現することが大きな喜びであり、『表現としての書を伝えたい』という思いが自分の中に目覚めていったのを覚えています」

書とアートの要素が融合した鈴木さんの作品。今後はライブペインティングなども行い、海外の人々に、より親しみやすい形で書道を紹介していきたいと話す。

 小学生時代から数々の書道や絵画コンクールで受賞し、贈られた賞状は100枚ほどにも及ぶ。「私の思いを温かく見守ってくれた恩師の元で書道八段までを取得した後、師範の資格を取得し書道家の道を進みながら、大学は美術系大学に進み、学芸員資格を取得。卒業後はアートやデザインのスキルを生かして広告代理店に入りました。6年間ほど勤めた広告代理店では、商業ロゴや看板、新聞広告、ポスター、デジタル広告等のデザイン制作や、企画・提案、ハンドリングから納品まで様々な業務を手がけました。広告デザインでは特に、筆文字の看板やレストランのメニュー、社訓等といった書と絵を合わせたデザインを要望されることも多く、自分の好きなことがそのまま仕事にもライフスタイルにもなっています」

 日本では、広告デザイナー業に加え、情報番組等出演、ファッションや美容系・コスメ系などでのモデル業にも力を注いできた。「広告代理店の仕事とは別で、化粧品ブランドのモデルのお仕事をさせていただいた時に、自社のパンフレットも作ってほしいとデザインの依頼までいただいたことも。広告の企画段階から撮影、デザインまで全てを手がけて、自分のアイデアが採用された時には本当に嬉しかったですね」

2022年は、LAから毎日新聞社主催「毎日書道展」に出品し、入選。今夏に東京都美術館など日本全国の美術館に展示された。毎日書道展(毎日新聞社主催)では8年連続で入選している。

 昨年7月に渡米。今後はロサンゼルスを拠点にワールドワイドに芸術を通しての表現の世界を追求していきたいと話す。

「私の父はアメリカ人で、母は日本人です。日本で生まれ育った私には、日本とアメリカという二つの国にルーツがあります。自分にとっての芸術は魂の叫びであり、心の静けさ、喜怒哀楽全ての表現だと思っています。『書』は言葉の壁を超える大きなパワーを秘めている素晴らしい芸術です。書を通して、日本・アメリカ、世界の人々、文化を繋げられる架け橋として生きていきたいと思っています」

(8/30/2022)

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