黒、赤、青色。鯉のぼりの色の意味を知っていますか?|べっぴん塾

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第七十回

黒、赤、青色。鯉のぼりの色の意味を知っていますか?

 

5月5日の端午の節供が近づき、各地の空で鯉のぼりが泳いでいます。鯉のぼりを立てるようになったのは江戸時代(今から400年ほど前)以降。戦がなくなり、武功を立てて出世することが難しくなった為、立身出世の象徴である鯉の幟を立てて、子どもの出世を祈る風習が生まれます。「黄河にある急流〝竜門〟を昇った鯉は竜になる」という古代中国の故事に由来し、「鯉が竜になるとは、たいへんな出世だ!」ということから鯉は出世の象徴となりました。生命力の強さや激流に負けない姿から、子どもたちもそうであってほしいという願いも込められています。その為、淡水魚(陰の魚)は祝い膳に用いられることがないのですが、鯉だけは、淡水魚であってもめでたい魚として祝い膳に用いられます。

鯉のぼりの色にも意味があります。基本的に鯉のぼりは3匹で構成され、家族を表し、真鯉は父親、緋鯉は母親、青い鯉は子どもとされています。父親の鯉が黒いのは大黒柱であることが表現され、母親の鯉が赤いのは生命を、そして子どもの鯉の青は若さや今後の成長を表しているとされています。この色による意味づけは大昔から言われていたわけではありません。江戸時代の鯉のぼりには黒い鯉しかいませんでした。明治時代に入ってから赤い鯉が、その後青や緑の鯉が作られるようになります。

鯉のぼりの最上部には、五行説の色に基づき、5色の「吹き流し」が備え付けられます。五行説とは、「木・火・土・金・水で世の中は構成され、この5つの要素が影響を及ぼし合い、循環し、そして調和が保たれる」と考えられている思想のことです。それぞれの要素に対応する色(青・赤・黄・白・黒)で作られた吹き流しは魔よけの効果があるとされています。住宅事情の変化により、大きな鯉のぼりを掲げるご家庭は少なくなりましたが、たくさんの鯉のぼりをロープにつなぎ掲げる「鯉のぼり祭り」は増え、多いところでは四千匹以上の鯉のぼりが空を泳ぎます。



(4/15/2026)


筆者・森 日和

禮のこと教室 主宰 礼法講師
京都女子大学短期大学部卒業後、旅行会社他にてCEO秘書を務めながら、小笠原流礼法宗家本部関西支部に入門。小笠原総領家三十二世直門 源慎斎山本菱知氏に師事し、師範を取得する。2009年より秘書経験をいかし、マナー講師として活動を開始する。
2022年より、廃棄処分から着物を救う為、着物をアップサイクルし、サーキュラーエコノミー事業(資源活用)・外国への和文化発信にも取り組む。
https://www.iyanokoto.com

 

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