ソーラー・システム(1)

 

筆者/ヒロ山田
クリーンエネルギーと省エネ製品の専門家。環境に配慮した製品による光熱費削減を顧客に提案。米国大手アプライアンスメーカーおよび代理店で給湯器、冷暖房機、ソーラーシステムなど高効率製品の市場開拓を担当。現在は独立し、製品の取付け・交換のメリット説明から各種リベート申請サポートまで一貫して提供している。
73sense(73センス)社、代表。 連絡先: 800-730-4655 / info@73sense.com

ソーラー・システム(1)

ソーラー・システムとは
住宅の屋根や敷地に設置されたソーラーパネルで、太陽光を吸収し、家庭用の電力に変換する仕組みです。ソーラーパネルはDC(直流)電力を生成し、その後インバーターによってAC(交流)電力に変換され、家庭内の電化製品や冷暖房機などを動かすために使用されます。

ソーラー・システムの普及
カリフォルニア州は、アメリカ国内で最も太陽光発電容量が大きい州であり、その規模は全国の約1/3を占めています。特に住宅用ソーラー・システムの導入が急速に進んでおり、太陽光発電による電力供給割合は年々増加しています。
州政府は「2045年までに全電力を再生可能エネルギーで賄う」という目標を掲げており、ソーラー・システムの普及はその重要な柱となっています。2024年以降の新築住宅にはソーラーパネルの設置が義務付けられました(条件つき)。過去10年でシステムの設置費用は大幅に下がっており、多くの家庭が太陽光発電を導入しやすくなっています。最近のデータによると、カリフォルニア州の総電力供給における太陽光発電のシェアは約20%〜25% にまで達しています(季節によって変動)。また州によるソーラー・システムなど再生可能エネルギーの推進は、温室効果ガス排出の削減や大気汚染への対応にとっても非常に重要な要素です。

ソーラー・システムのメリット
カリフォルニア州では電力料金が高いため、太陽光発電を導入することで家庭の電力代を大幅に削減することができます(特に夏場のピーク時)。さらにエネルギー貯蔵バッテリー(バッテリー・バックアップ)と組み合わせることで最大効果が得られます。
最近ではユティリティ会社が新たな基本料金を設定したり、ソーラーによって得られた余剰電力へのクレジット制度(Net Energy Metering)を変更するなど太陽光発電のメリットが弱まっている面もあります。しかし、ソーラーパネルやバッテリーの価格が引き続き低下しているため、長期的に見ると、まだまだメリットは高いと言えます。

スマートグリッド
スマートグリッド(Smart Grid)とは、従来の電力網に情報通信技術(ICT)を組み合わせて、電力の供給と需要をリアルタイムで調整する高度なシステムです。これにより、家庭で使用する電力が効率的に管理され、太陽光発電の電力を最適に活用することができます。
例えば、ソーラー・システムが生成する電力が家庭の需要を超えて余った場合、その電力をグリッドに供給することで、他でも利用されるようになります。逆に、発電量が不足しているときには、グリッドから電力を購入して補うことができます。さらに、この技術の進化により、近い将来、曇りの日や夜間でも太陽光を効果的に活用することができるようになると期待されています。

次号からはソーラー・システムの種類やホームオーナーが得られる補助金について解説します。

(11/12/2025)

 

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