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今、日本のファション業界は空前の古着ブームとなっている。渋谷、原宿、高円寺、下北沢といった若者の集まる街の洋服屋さんの半分くらいが古着を扱っている。高円寺、下北沢だけをみると8割以上が古着屋さん。大変な賑わいとなっている。大通りはユニクロ、GUなど若者向けの洋服屋さんが店を構えているが、大量生産と無難な色合いのものが多い為、おしゃれ感度の高い人には物足りない。かと言って、海外の高級ブランドの服は流石に高くて手が出ない。そこで「古くて新しい感覚」の古着が選択肢に入ってくる。私も以前はブランド物をウキウキ買った時期もあったが、高額なのと「黒色カッコイイ系」の流行りの洋服はあまり好きではなく、楽しい色合いの良き時代のアメリカンファッションが好みとなっている。
古着と言えば、少し前までは60年代のアメリカ古着が人気の中心だったが、時代と共に様変わりして来た。私の世代は懐かしさも含めて50~70年代の洋服が大好きなのだが、50~60年代の革ジャン、ジーンズは価格が高騰しすぎて手が出ないのが現状。Z世代にとっては2000年代の洋服も立派なヴィンテージ。下北沢、高円寺あたりでは2000年代の洋服は比較的手に入りやすい価格なので人気が出てきている。50年代のスカートと最近の洋服を上手にコーディネートするのは古着の着こなしの醍醐味だが、一見アンバランスに見えるが新鮮で可愛いのだ。そんなビックリするハイセンスな着こなしをする女性を見ることもある。
古着屋さんも頑張っている。仕入れ方法はいくつかあり、国内業者仕入れ、お客さんからの買取、オーナー自らがアメリカ、ヨーロッパに出向き買ってくるのが定番だ。しかし最近の円安の為、商品を購入しても値段が高額となり採算が合わないと皆さん嘆いている。そこで注目されているのが、タイでのヨーロッパ、アメリカ商品の買付。ミリタリー関係のものは欧米より2~3割安く買えるらしい。その仕組みは良くわからないが、皆頑張っています。
そう言えば、こんなに古着ファッションを上手に着こなしているのは世界でも日本がナンバー1ではないか。日本人は食も含めてアレンジが本当に上手な国民だと改めて感じる。この古着ムーブメントは服飾専門学校にも影響を与えている。名門東京モード学園、ドレスメーカー学院、東京服飾専門学校、杉野服飾大学など、名だたる学校が古着部門に特に力を入れている。デザイナーを育てるのとは別に洋服の歴史を学び、独自の感性で古い洋服を甦らせる。これができるのは日本人だけではないかな。私のお勧めは高円寺「SALERS」!
■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。
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