【ロサンゼルス8日】2021年10月に行われたロサンゼルス市の区割りプロセスに関する会話の中で人種差別発言をし、翌年10月その録音が公になったことから辞任勧告を受けたケビン・デ・レオン市議とギル・セディーヨ市議が6日、録音のリークに関与したと思われるロサンゼルス郡労働連盟の元職員2人を相手取る訴訟を郡上級裁に別々に起こした。両市議は、録音のリークがプライバシーの侵害に当たるなどと主張した。
訴えられたロサンゼルス郡労働連盟の元職員は、サントス・レオン被告とカーラ・バスケス被告の夫婦。録音が行われた当時、バスケス被告は当時の連盟会長ロン・ヘレーラ氏のエグゼクティブ・アシスタント、レオン被告は同組織の会計士だった。両者ともその後辞任している。
誰が会話を録音したかを特定するためのロサンゼルス市警による捜査は進行中で、レオン被告もバスケス被告もこの事件の容疑者として公に特定はされていない。
この人種差別発言事件では昨年10月、発言の中心だったヌーリー・マルチネス市議会議長と、LA郡労働組合連合会のロン・ヘレラ会長が録音が公開された直後に辞職した。セディーヨ市議は、録音が公開される4ヶ月前に再選に敗れていたが、12月に任期が終了するまで市議職にとどまった。デ・レオン市議は、現職で再選を目指すことを表明している。
セディーヨ氏は、「同僚議員の発言に異議を唱えなかったために、生涯の職務が台無しにされた」と訴えており、懲罰的損害賠償、一般損害賠償、補償的損害賠償を要求。デ・レオン氏は、この録音が公開されたことで「暴言、中傷、殺害予告、唾を吐きかけられるなどの標的となり、名誉や政治的将来に永久的なダメージを受けた」とし、不特定の損害賠償を求めている。