【ロサンゼルス9日】ロサンゼルス統一学校区(LAUSD)の統一テストの結果が9日に発表され、州の基準を満たしていない生徒が数学で約72%、英語で約58%にのぼった。すでに学習への遅れが指摘されていたLAUSDの生徒らに、コロナパンデミックがさらなる悪影響を与えた現実が明らかになった。
統一テストの結果、ほぼすべての学年で成績の低下が見られ、特に高学年の生徒でそれが顕著だった。実に11年生の約81%が、数学で学年標準を満たしていないことが判明した。
また、黒人生徒の83%、ラテン系生徒の78%、経済的に恵まれない生徒の77%が、数学の州基準を下回った。女子生徒の成績低下も悪化しており、数学の州基準を満たしていない女子生徒が、パンデミック前の67%から、2022年には73%近くに増加した。
生徒の成績が州の基準を満たしているかどうかを測る統一テスト「加州スマーターバランス・アセスメント」は、コロナパンデミックでのオンライン授業への切り替えなどから生徒の成績比較が困難となったため、2019ー20学年度には中止された。翌2020ー21学年度には、LAUSDを含む多くの学校区では、州全体のテストではなく、地元で選んだ独自の評価を実施してもよいとの柔軟性が与えられた。こうした理由から、2021ー22年のテストは、パンデミック前と現在の成績を広く比較する最初の機会になる。州全体の成績は、今年後半に発表される予定だが、全体的な成績の低下が予測されている。
コロナパンデミック前の2018ー19年、LAUSDの生徒の約67%が数学の基準を満たさず、56%が英語の基準を満たしていなかった。特に黒人、ラテン系、低所得家庭の生徒の成績は著しく低かった。
LAUSDのアルベルト・カルバホ教育長は、2022年のスコアと比較して、2026年までに小学3年生が英語のテストで州基準に平均30ポイント近づくことを目標にかかげる。また、数学では、3年生から8年生の生徒のスコアを平均40ポイント近づけることを目指す。統一テストは、3年生から8年生、11年生で実施され、約2,000点から3,000点のスコア幅で採点される仕組み。
LAUSDでは、テスト結果を今後の指導計画の指針とし、「インパクトの強い」プログラムの展開や、補習授業を強化していく方針。
今月初めには、全米規模で9歳児を対象に行われた数学と読解力のテストの結果、過去数十年間でスコアが最も急激に落ち込んだことがわかった。特に、以前から成績が悪かった子どもたちの間で落ち込みが激しく、専門家は、パンデミックだけが原因ではないと警告。生徒間の成績の格差を縮めるため、学習が遅れている生徒に焦点を当てた取り組みなどの必要性を指摘している。
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