【ロサンゼルス20日】ロサンゼルスの街並みを一望できる、絶好の“映えスポット”。
そんな場所がSNSで人気になったことで、思わぬ問題が起きています。
舞台は、ダウンタウン・ロサンゼルス近郊の住宅街、Victor Heights(ビクター・ハイツ)。Dodger Stadiumのすぐ南にあるFigueroa TerraceとCentennial Streetの交差点付近からは、ロサンゼルスの街並みを見渡すことができます。
もともと映画やテレビの撮影場所として使われたり、写真愛好家が訪れたりする場所でした。
ところが、TikTokなどのSNSで「LAの絶景スポット」として広まったことで状況が一変。日中だけでなく夜間にも、写真や動画を撮影する人たちが次々と訪れるようになったと住民は訴えています。
「ここは観光地じゃない!」
住民が特に問題視しているのが、路上駐車や交通、深夜の騒音です。
SNSユーザーが集まることで、住宅街に人や車が集中。住民によると、夜遅くまで騒ぐ人もおり、飲酒や喫煙などをめぐる問題も起きているといいます。
「TikTokの撮影をするために、夜中の2時にまで人がやって来る」と、地域関係者は住民の置かれている状況を説明しています。
特に住民が心配しているのが、人気スポットのすぐ近くに暮らす家族です。中には、複数回の手術を受け、酸素を必要とする3歳の女の子が暮らす家庭もあるといいます。
「絶景を撮りたい」という訪問者の行動が、そこで普通に暮らしている人たちの生活に影響を与えているのです。
住民が「自分たちの街を取り戻そう」
こうした状況を受け、住民たちは8月19日夜に集まり、対策について話し合いました。
会場となったEastside Italian Deliには地域住民が集まり、増え続ける訪問者や安全面への懸念について意見を交わしました。
住民側はすでに市当局に対策を求めていますが、現時点では具体的な解決策は示されていません。
ロサンゼルス市議会議員Eunises Hernandez氏の事務所は、市の各部署と連携し、地域の安全と秩序を守りながら訪問者の数を抑える方法を検討していると説明しました。
一方、住民たちは行政の対応を待つだけではなく、地域のコミュニティー団体やNeighborhood Watch(地域防犯パトロール)の設立も検討しています。
「映える場所」の裏側にあるもの
SNSによって、これまで知られていなかった場所が一気に有名になる。
今では珍しくない現象ですが、今回のVictor Heightsのケースは、「映える場所」が実は誰かの生活の場でもあるという問題を浮き彫りにしています。
ロサンゼルスでは、ハリウッドサイン周辺などでも、SNSをきっかけに住宅街へ観光客が集中し、交通や騒音、安全面をめぐって住民との摩擦が起きています。
もちろん、素晴らしい景色を写真に収めたいという気持ちは理解できます。
でも、そこに住んでいる人にとっては、毎日が「観光」ではありません。
「いい写真が撮れた!」の一枚の裏側には、そこを生活の場所としている人たちがいる。
SNS時代のLAで、観光客と住民がどう共存していくのか。Victor Heightsの問題は、人気スポットが生まれるたびに繰り返されるかもしれない、現代ならではの課題を映し出しています。
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