【ロサンゼルス19日】
この橋、覚えていますか?
これまで何度かご紹介してきた、ロサンゼルス郊外の101号線の上に建設中の「Wallis Annenberg Wildlife Crossing(ウォリス・アネンバーグ・ワイルドライフ・クロッシング)」。いよいよ完成が近づいてきました。
開通予定は2026年12月2日。高速道路の上に造られているのは、人間のための橋ではありません。マウンテンライオンやコヨーテ、ボブキャットなど、野生動物のための「専用道路」です。
101号線を越える「緑の橋」
このプロジェクトが進められているのは、カラバサスとアグーラヒルズの間にあるリバティ・キャニオンです。
サンタモニカ山地を走る101号線は、私たちにとっては便利な高速道路ですが、野生動物にとっては生息地を分断する大きな壁となっています。
特にマウンテンライオンにとっては深刻な問題です。道路を横断しようとして車にはねられる危険があるだけでなく、道路によって個体群が分断されることで、遺伝的多様性が失われることも懸念されています。
そこで考えられたのが、高速道路の上に自然をつなぐ橋を造るというアイデアでした。
「橋」なのに、まるで山の一部?
完成する橋は、一般的な歩道橋とはまったく違います。
橋の上には土が敷かれ、周辺の自然に合わせた植物が植えられます。目指しているのは、動物たちが「橋を渡っている」と感じるのではなく、いつもの山の中をそのまま歩いているような環境です。
マウンテンライオンだけでなく、コヨーテやボブキャット、シカなど、さまざまな野生動物が利用することが期待されています。
つまり、人間には「巨大な橋」に見えても、動物たちにとっては山と山をつなぐ新しい“緑の道”なのです。
2022年に始まった工事、いよいよゴールへ
この壮大なプロジェクトが始まったのは2022年4月。長い工事を経て、いよいよ完成が見えてきました。
完成すれば、10車線の高速道路をまたぐ世界最大級の野生動物用クロッシングとなる予定です。
これまでにも工事の進捗がたびたび話題になってきましたが、今回はいよいよ「開通」が見えてきたという大きな節目です。
最初に渡るのはどの動物?
ここまで来ると、気になるのはやはり「最初に橋を渡るのは、どの動物?」ということではないでしょうか。
もちろん、橋が完成したからといって、動物たちがすぐに列を作って渡るわけではありません。周辺の自然環境を整えながら、野生動物が安心して利用できる場所にしていきます。
それでも、完成後に橋を渡るマウンテンライオンの姿がカメラに捉えられれば、大きなニュースになることは間違いありません。
ロサンゼルスの「未来の風景」
ロサンゼルスといえば、何車線もある高速道路と、そこを埋め尽くす車の風景を思い浮かべる人も多いでしょう。
その101号線の上に、今度は車ではなく、野生動物が行き交う緑の道が誕生します。
人間のために造られた高速道路によって分断された自然を、今度は人間の手でつなぎ直す。
そんなユニークな発想から始まったプロジェクトが、いよいよ完成を迎えます。
2026年12月2日、動物たちのための新しい道が開通予定です。
これまでこのプロジェクトを追ってきた人にとっては、待ちに待った瞬間。そして初めて知った人にとっても、ロサンゼルスの新たなランドマークとして、ぜひ覚えておきたい場所になりそうです。
さて、最初にこの「動物専用橋」を渡るのは、どの動物になるのでしょうか?
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