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南浦彰
Akira Minamiura
近鉄エンタープライズ・カンパニー・オブ・アメリカ
都ハイブリッドホテルトーランス/都ホテルロサンゼルス 社長
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・都ホテルロサンゼルス
住所:328 1st St, Los Angeles, CA 90012
HP:miyakola.com
・都ハイブリッドホテルトーランス
住所:21381 S Western Ave, Torrance, CA 90501
HP: miyakohybridhotel.com
「大学時代に友人と長い二人旅をしました。初めての海外旅行でしたが、ヨーロッパから中東へ様々な国や場所を訪れました。この旅を通じて、ある〝場所〟が持つ意味や価値というものに深く思いを巡らせました。自分でも不思議な発見、探求でした。自分にとってそんな意味や価値のある〝場所〟はどこだろうと考え続け、辿り着いたのが、生まれ育ったふるさと奈良でした。そんなこともあり、地元を唯一走る近鉄電車に入社した、というのが今思えば人生前半の経緯です」
南浦彰さんは1965年奈良県宇陀市出身。小中学校は野球少年でピッチャーを務めた。その後、県立畝傍高校に進学。毎朝片道1時間、近鉄鉄道に乗って通学した。高校時代、今も仲の良い友人達と議論を重ね「世の中を動かしているのは法律より経済」と考え、東京大学経済学部に入学。
大学時代、彼に影響を与えたのは学校それ自身よりも、東京・茗荷谷にあった奈良県人寮での暮らしだった。当時、線路沿いの古い建物には約60人の学生が暮らしていた。大学3年生まで二人部屋で、4年生で初めて一人部屋が与えられた。アルバイトは寮で代々続く素麺屋。倉庫で商品の仕分けをしたり、百貨店の催事で販売したり、時には地方に出張して販売先の接待もした。アルバイトに限らず、とにかく大都会東京の中で県人寮の仲間との濃い人間関係の日々であった。
1988年東大を卒業。「学者になろうとは思わなかったし東京でこのまま働くのも自分に合わないと思った」南浦さんは旅先での決意もあって地元の鉄道会社、近鉄に入社し、大阪の鶴橋駅駅員として社会人生活をスタートさせた。1990年からは本社企画室に異動してホテルチームに。以来ずっと何かしらホテルに関わる仕事に携わってきた。「縁だと思います。僕は街づくりに関わりたいと思っていましたが、ホテル開発というのは常に街づくりの一翼であり、ずっとやりたい仕事をやらせてきてもらったと感じています」2016年G7伊勢志摩サミットでは会場となった『志摩観光ホテル』総支配人として300人のスタッフを束ね、世界の要人を迎え入れた。30代には5年あまりのサンフランシスコ勤務もあり今回の駐在は2回目。常に目の前を明るくしようと意識して働いてきた。
来月に還暦を迎える。「世界の中で日本の経済は縮んだかもしれませんが、日本の文化の広がりはまだこれから。日本文化を伝えることが我々のホテルの強みになると思っています」リトルトーキョーにある都ホテルの大谷翔平選手の壁画は今やLAダウンタウンのランドマーク。テキサス州プレイノ市において米国3拠点目のホテルを計画中で、2027年度の竣工を目指している。


(5/15/2025)
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