LA郡がPepsiCoとCoca-Colaを提訴 「ペットボトルのリサイクルで消費者をあざむいた」と主張(11/1)

【ロサンゼルス31日】ロサンゼルス郡がこのほど、ペットボトルのリサイクルについて消費者をあざむき、プラスチック廃棄による環境と健康への悪影響を軽視しているとして、PepsiCoとCoca-Colaの2社を相手取る訴訟を起こした。

 30日に提出された訴状でロサンゼルス郡側は、2社に対してプラスチック汚染問題をめぐり消費者をあざむいた責任を取る必要性を訴えた。

 Coca-ColaはDasani、Fanta、Sprite、Vitamin Water、Smartwaterなどのブランドを所有し、PepsiCoはGatorade、Aquafina、Mountain Dewなどを所有している。世界的な環境保護団体「Break Free From Plastic」によると、この2社は5年連続で世界トップのプラスチック汚染企業にランクされており、コカ・コーラは6年連続で1位を獲得している。

 同環境保護団体によると、PepsiCoは年間約250万トン、Coca-Colaは年間約322万4千トンのプラスチックを生産している

 欧州では、欧州連合(EU)の消費者保護団体と環境保護団体が昨年11月、Coca-Cola、Nestle、Danoneの3社に対し、包装材を100%リサイクルまたは100%リサイクル可能であると表現したのは誤解を招くとして、法的な訴えを起こした。

 ロサンゼルス郡の訴訟では、Coca-ColaとPepsiCoは、消費者にリサイクル可能で環境への害が少ないと信じさせ、使い捨てプラスチックを購入するよう「偽情報キャンペーン」を行ったとしている。

 Coca-ColaとPepsiCoはの両社は、ペットボトルを無限にリサイクル・再利用できる「循環型経済」を実現すると約束したが、実際にはペットボトルはリサイクルできるとしても1回だけだと主張。この2社が加盟するアメリカ飲料協会は、ペットボトルのリサイクルラベルに関する訴訟の非難を否定した。

 アメリカ飲料協会のウィリアム・ダーモディ広報担当は声明で、「私たちのパッケージがリサイクルされていない、される予定もないという申し立ては、単に事実ではない」と反論。カリフォルニア州の2023年のボトルリサイクル率は71%で、全米でもトップクラスであり、同社のボトルは “リサイクルやリメイクを前提に設計されており、最大で100%のリサイクルプラスチックを含むことができる “と主張している。

 訴訟では、2022年だけでも、カリフォルニア州では推定121,324トンから179,656トンのプラスチック廃棄物が陸と海に流出し、浜辺で発見されるゴミのトップ10のうち7つをプラスチックが占めている、と訴えている。

 最も問題視されているのはマイクロプラスチックによる汚染。環境中に流出したプラスチックは最終的には5ミリ以下の小さなプラスチック片に分解され、それらは土壌や植物の生長、海洋生物や魚類に影響を及ぼし、環境から除去することはほぼ不可能になる、と訴訟は述べている。

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