【ロサンゼルス2日】ロサンゼルス郡の図書館が郡の公衆衛生局と提携し、フェンタニルの過剰摂取による死亡事故の増加を食い止めるため、オピオイド解毒剤「ナルカン」の使用法などを指導するクリニックを増設する取り組みを行っている。
ロサンゼルス郡当局によると、フェンタニルの過剰摂取による死亡事故の件数は、2016年から2022年の間で1,652%も増加した。今では郡内86カ所の全図書館にはオピオイド解毒剤の「ナルカン」が常備され、図書館のスタッフは緊急事態が発生した際の対処法について訓練を受けている。
現在、図書館はナルカン・クリニックを拡大し、郡内の10の図書館分館で毎週開催している。クリニックでは薬の使い方のトレーニングが行われ、参加者は2回分の薬を持ち帰ることができる。
「ナルカン」はFDAが承認した点鼻薬で、フェンタニルの過剰摂取者に迅速に使用することで呼吸が再開する可能性が高まる。
「高校や中学校に薬物が入り込んでいるのを目の当たりにしている」と話すのは、Cedars Sinai病院のサム・ベッカーマン医師。フェンタニルの過剰摂取の危険性があるのは薬物使用者だけでなく、頭痛のために友人からピルをもらったことがある人なども含まれると警鐘を鳴らす。
ナルカン・クリニックは、2024年6月26日まで、毎週水曜日の正午から午後4時まで、以下の10の図書館で実施される。
・A C Bilbrew Library
・East Los Angeles Library
・El Monte Library
・Lancaster Library
・Leland R. Weaver Library
・Lennox Library
・Norwalk Library
・San Fernando Library
・Temple City Library
・West Hollywood Library
ナルカン・クリニックの詳細についてはロサンゼルス郡のウェブサイトで。LACountyLibrary.org/naloxone