【ロサンゼルス】405フリーウェイを車で北方面に走っているとサンタモニカ近くで、右側に突如として見える背の高い木。たしかに葉や枝が均等に生えて立派には見えますが、みずみずしさが感じられない。おまけによく見ると、葉や枝のすき間から鉄の棒のようなものがみえる。
「あの木、なんだかニセ物ぽいよね」
そうなんです。この木はアメリカ人から「フェイクツリー(ニセの木)」と呼ばれたり、「カモフラージュ」などと、様々な呼び方をされています。けっして、しまい忘れて放置されたクリスマスツリーでもありません。
コレ、世の中の皆さんが使っている携帯電話のアンテナ塔なんです。でもなぜアンテナをニセの木で覆っているのかって?
この携帯タワーの木は、今や都市部から郊外までアメリカ全土にわたって点在しているのですが、もともとはロサンゼルスで90年代初めに設置が開始したといわれています。
携帯電話が世の中に登場し始めると同時に、大手電話会社が次々と携帯電話アンテナのタワーの設置を開始。しかしここで、周辺住民から反対意見や不平不満が勃発したのです。
その反対意見とは
■むき出しのアンテナが街や自然の景観を損ねる。人々に精神的ストレスを与えかねない!
■このうえない視覚汚染だ!
そんな経緯もあり現在、市によっては、携帯タワーを木などに変装させることが義務付けられています。
アリゾナ州ツーソンの企業「ラーソン・カモフラージュ社」では、このカモフラージュツリーの制作を専門に請け負い、全米に提供。もみの木タイプのほか、ヤシの木タイプ、サボテンの多いアリゾナではサボテンタイプのカモフラージュツリーも人気です。
私たちの生活を便利にしてくれる携帯電話。そこには、様々な工夫がなされているんですね!
下の写真:ツリーに変装前のむき出しの携帯電話アンテナタワー
あめりか・タウンネタ
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