中島健太郎 : コミュニティのメンタルヘルスに対するスティグマを取り除きたい

.

.

中島健太郎
Kentaro Nakajima

カリフォルニア州公認サイコロジスト

.


.

「中島心理教育セラピーサービス」中島健太郎 Ph.D.。Clinical Psychologist PSY27817
カリフォルニア州公認のサイコロジスト。個人・家族カウンセリング、ADHDなど教育相談、オンラインカウンセリング、心理査定などを取り扱う。https://www.nakajima-psych.com/

 「治療の相談で多いのが児童の登校拒否のほか、コロナ禍が影響しての対人関係の悩みなどです。外出自粛やウイルス感染が原因で、人と触れ合ったり物に触ると病気になるのではないかという恐怖や不安で悩む人が増えています」と話すのは、サンタモニカにクリニック「中島心理教育セラピーサービス」を構えるクリニカルサイコロジストの中島健太郎先生。以前は、学校に通う児童が学習障害を持っているかどうかのスキルを測定するアセスメントテストを行うなど教育関連のセラピーも行っていた。

 テキサス生まれ、ワシントンD.C.の郊外にあるメリーランド州で育った。「現地の日本語学校にも通いました。そこには、親の仕事の関係で日本から来て数年で日本へ帰国する子や、家族がアメリカ永住予定の子など色々な子どもがいました。そんな中で私が気付いたのが、学校環境や生活環境に適用する子と適用しない子がいるということでした。学校で様々な問題を抱える子たちが周りにいるのをみて、子ども心に、日本語で彼らを助けてあげられる人が社会には必要だ!と感じていました。高校の頃には、日本語と英語でサイコロジーを学びたいと考えるようになりました」

大学の1年間は立教大学に交換留学。ゼミを受講し、日本のクリニックでも経験を積んだ。

 メリーランド州の大学の心理学専攻に進み、最後の年は日本語で心理学を学ぶため1年間立教大学に交換留学した。子どもの頃には毎年夏休みには日本を訪れ、学校の体験入学するなど日本語や日本の生活には馴染みもあった中島先生。留学中は大学でのクラスのほか、ゼミで心理学の発表を行ったり、日本のメンタルヘルスクリニックで働いた。

 アメリカ帰国後は、ニューヨークのホフストラ大学の臨床と学校心理学の複合課程『Combined Clinical & School Psychology Program』を卒業し、Ph.Dの博士号を取得。在学中は、「怒り」を専門に学び博士論文を執筆。卒業後にはカリフォルニアのコミュニティーメンタルヘルスクリニックでインターンとして勤務した後、スーパーバイザーとして治療に当たった。ここでの実践を研究に生かし、国際連合(United Nations)でメンタルヘルスの『スティグマ(Stigma)』について発表した。

中島先生自身は、家族と楽しむ時間や趣味を大切にしている。セルフケアをすることでライフバランスが取れていると話す。

 サイコロジストになって15年になる。「サイコロジーの世界にはおそらく、ゴールなどというものはないと思います。時代も変われば、人のメンタルも変わる。常に新しい治療法、新しいデータ、知識が更新されていきますので、学会やトレーニングにも積極的に参加し、そこでお勧めされる文献を読んだりもしています」
 そこには、日本語学校に通っていた頃に感じた原点が常にある。「日本人のメンタルヘルスに対する社会的偏見や負のレッテルを減らし、コミュニティのメンタルヘルスについての知識を高め、より多くの日本人の皆さんにサイコロジーの分野の素晴らしい治療法を提供していきたいと思っています」

.

.

(5/24/2022)

.

.

.

.

.

.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。