LA郡、医療施設でのマスク着用義務を復活 コロナ感染増だが昨冬のピークはかなり下回り「常識的な予防を強く推奨」(1/2)

【ロサンゼルス30日】ロサンゼルス郡当局は30日、新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にあることを受け、医療施設のスタッフと訪問者へのマスク着用の義務を復活させたと発表した。

 同郡では最近、米疾病対策センター(CDC)が定義する新型コロナウイルスによる入院患者数が “中 “レベルにあがった。ロサンゼルス郡公衆衛生局は声明で、「この1週間、ロサンゼルス郡では、新型コロナ感染者の報告件数、入院、死亡の人数増加が顕著であったが、予期せぬことではなかった」と説明。「最近の感染者増加は著しいが、昨冬のピークをかなり下回っており、新年を迎えるにあたり、感染と重症化を抑制するために常識的な予防が強く推奨される」と述べた。

 CDCが定義する入院患者数が “中 “レベルの基準値は、7日間の人口10万人当たりの新規コロナ入院患者数が10~19.9人。CDCは、12月23日までの一週間のロサンゼルス郡における人口10万人当たりの新規コロナ入院患者数が10.5人だったと報告している。

 同局の声明によると、2023年12月27日に掲載されたロサンゼルス郡保健官命令に基づき、ロサンゼルス郡のコロナ感染者の入院レベルがCDCの中レベル以上に達した場合、コロナウイルスおよびインフルエンザのワクチン接種の有無にかかわらず、入院患者ケアを提供する認可医療施設のすべての医療従事者は、患者と接触している間、または患者ケアエリアで作業している間、マスクをすることが義務付けられている。

 さらに、認可された医療施設を訪問するすべての人は、患者の周りや患者ケアエリアにいる間はマスクをすることが義務付けられる。これは、ロサンゼルス郡のコロナ感染者の入院レベルが、少なくとも14日間連続してCDCの中レベル以下になるまで有効となる。

 カリフォルニア州のデータによると、12月23日現在、ロサンゼルス郡の病院には609人のコロナ陽性患者が入院中。これは11月1日の259人から増えているが、1,200人を超えていた昨年のこの時期よりは少ない。これらの患者の中には他の理由で入院し、病院で検査を受けた後にコロナに感染していることが判明した人もいる。 

 先週以来、同郡で報告されているコロナ感染者の1日平均は495人から621人へと25%以上増加している。コロナの自宅検査結果が多数報告されていないと予測されるため、実際の感染者はもっといると当局は述べている。また、コロナに関連した死亡者は1日平均5人で、今月6日未明の2人から増加している。同局は、コロナ関連で死亡する人の大部分は、糖尿病、心臓病、高血圧などの持病を持っていると述べている。

 同局は、ロサンゼルス郡で新型コロナウイルスの新変異株「JN.1」が優勢になりつつあることが地域的な感染増加の一因である可能性があると発表したが、この「JN.1」はコロナ感染の重症化にはつながっていないようである。

 専門家は、新型コロナウイルスや、この年末年始に流行している他の呼吸器系ウイルスから身を守るために、以下のような常識的な予防策を推奨している。

 ・特に食事の前、くしゃみや咳の後、公共の場では、頻繁に手を洗うか、手指消毒剤を使用する。

 ・混雑した屋内や交通機関、換気の悪い場所では、フィットした高品質のマスクを着用する。

 ・咳、くしゃみ、発熱、のどの痛みなど、何らかの病気の症状がある場合は自宅にとどまり、友人や家族に感染の兆候が見られた場合は集まることを避ける。

 

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