在米日本人も知っておきたい アメリカで増える“無保険患者”問題(7/31)

シェアする

【ロサンゼルス31日】アメリカの医療現場で、健康保険に加入していない「無保険患者(uninsured patients)」の増加が新たな問題となっている。

病院では、保険の有無にかかわらず緊急治療を必要とする患者を受け入れる義務がある。そのため、無保険患者の増加は病院側の未回収医療費(uncompensated care)の増加につながり、医療機関の財務状況を圧迫している。

背景の一つとして挙げられているのが、Affordable Care Act(ACA、通称オバマケア)による保険料補助の縮小・終了である。これまで多くの人が利用していた保険料補助がなくなったことで、保険料の負担が大きくなり、加入を継続できない人が増えている。

実際に、保険料の高騰によってACAの保険プランを失った人の中には、「月々数千ドルの保険料を支払うことができない」として、医師の診察や検査を控えるケースも出ている。

病院側への影響も広がっている。

全米最大級の病院チェーンの一つであるHCA Healthcareでは、無保険患者への対応による負担が増加し、第2四半期には約4億ドル規模の収益への影響があったと報告されている。また、救急外来の利用増加も見られている。

広告

「治療を受けたいが、保険料が払えない」人が増加

アメリカでは、医療保険が勤務先、政府プログラム、個人加入プランなど複数の仕組みに分かれている。

しかし、保険料の上昇や制度変更により、「収入はあるものの保険料が高すぎて加入できない」という人も増えている。

また、保険に加入していたとしても、自己負担額の高いプランを選ばざるを得ない人も多く、実質的に医療へのアクセスが難しくなるケースも指摘されている。

在米日本人にも無関係ではない医療保険問題

アメリカで暮らす日本人にとっても、医療保険は生活に直結する重要な問題である。

特に、

  • 自営業者
  • フリーランス
  • 退職後のシニア世代
  • 雇用先から保険を提供されない人

にとって、保険料の上昇は大きな負担となる可能性がある。

また、アメリカでは救急搬送や入院治療の費用が非常に高額になることがあり、無保険状態で大きな病気やけがをした場合、家計に深刻な影響を及ぼすことがある。

医療制度の課題、今後さらに議論へ

無保険患者の増加は、単なる個人の問題ではなく、アメリカの医療システム全体に関わる課題となっている。

患者側からは「医療保険をもっと利用しやすくしてほしい」という声がある一方、病院側からは「無償に近い医療提供が続けば経営が維持できない」という懸念も出ている。

医療費が高いことで知られるアメリカで、誰もが必要な時に治療を受けられる環境をどう作るのか。無保険患者の増加は、今後も大きな社会的議論となりそうである。

【関連記事】

専門家が提案する「 保険料を下げるための鍵」カリフォルニアの地震保険、高すぎる?

学生バイトも日本人経営者も注目 カリフォルニア最低賃金2027年改定へ

163円・・・円安が追い風に SNSでも広がる日本人気 「Japan」検索から見るアメリカ人の関心

 

記事をシェアする

ランキング

よく読まれています

  1. オジー・オズボーンさんを追悼し、ユニバーサル・スタジオに特設お化け屋敷 「ハロウィン・ホラー・ナイト」で45年のキャリアを網羅(7/30)
  2. ディズニーランドで「食」も値上げ 人気スナックやドリンクが相次ぎ価格上昇 出費がさらに増加(7/29)
  3. キキもハウルも、大人が仮装!ロサンゼルス「Hollywood Bowl」で見た“アメリカ版ジブリ”(7/29)
  4. カリフォルニア大地震に備える 日本人が知っておきたい“アメリカ式防災”5つのポイント(7/30)
  5. アメリカで話題の「7-7-7ルール」とは? Back to School特集(7/30)
ランキング一覧はこちら >

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。