【ロサンゼルス28日】西海岸でクジラの死亡や座礁が相次いでおり、専門家の間で「近年最も深刻な年になる可能性がある」と懸念が広がっている。カリフォルニア州やオレゴン州などの沿岸では、複数種のクジラの死骸が確認されており、異常な海洋環境の変化との関連が指摘されている。
特に問題となっているのは、グレイホエール(コククジラ)の減少と死亡の増加である。北極圏の餌不足や海水温の上昇により、十分な栄養を得られない個体が増えているとみられ、やせた状態で漂着するケースが目立つという。専門家は、これが長期的な生態系の変化を反映している可能性があると分析している。
さらに、船舶との衝突も大きな死因となっている。特にサンフランシスコ湾周辺では航行量が多く、クジラが新たな餌場を求めて湾内に入り込むことで、船との接触事故が発生しやすくなっているとされる。実際に、近年は船舶衝突による死亡例が一定割合を占めている。
また、漁業用ロープなどへの絡まりも増加傾向にあり、救助活動が行われても回復が難しいケースがあるという。こうした人為的要因と環境変化が重なり、クジラの生存環境は厳しさを増している。
一方で、米西海岸では保護対策も進められている。船舶の減速を促すプログラムの拡大や、航路変更、監視技術の導入などにより、衝突リスクを下げる取り組みが行われている。しかし、業界全体の協力は十分とは言えず、実効性の確保が課題となっている。
専門家は「単一の原因ではなく、気候変動、餌資源の変化、人間活動が複合的に影響している」と指摘し、長期的な監視と対策の強化が必要だとしている。
西海岸のクジラは今、環境変化の影響を最も象徴的に示す存在となっており、その動向は海洋生態系全体の健全性を測る重要な指標として注目されている。
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