ソーラー・システム(2)

 

筆者/ヒロ山田
クリーンエネルギーと省エネ製品の専門家。環境に配慮した製品による光熱費削減を顧客に提案。米国大手アプライアンスメーカーおよび代理店で給湯器、冷暖房機、ソーラーシステムなど高効率製品の市場開拓を担当。現在は独立し、製品の取付け・交換のメリット説明から各種リベート申請サポートまで一貫して提供している。
73sense(73センス)社、代表。 連絡先: 800-730-4655 / info@73sense.com

ソーラー・システム(2)

家庭用ソーラーシステムの3つのタイプ
家庭での使用目的や予算に合わせて、どのタイプのソーラーシステムが最適か選ぶことができます。ここでは、主な3種類をご紹介します。

  1. グリッド接続型
    電力会社の電力網(グリッド)に接続する最も一般的なタイプです。太陽光で発電した電力を自宅で使い、余った電力はグリッドへ売電できます。ただしバッテリーがないため、停電時は電気が使えません(後から追加は可能)。

■ こんな家庭におすすめ
•初期費用を抑えたい
•電気代を長期的に節約したい
•停電が少ない地域に住んでいる

■ 長所
•3タイプの中で最も安価
•メンテナンスが少ない
•余剰電力を売電できる

■ 短所
•停電時に電力が使えない
•NEM3.0により電力会社への売電価格が下がったため、使用コストがこれまでのように低くならない

 

  1. グリッド接続型ソーラー + 電池システム(最も人気)
    現在最も普及しているタイプ。ソーラーに加えて家庭用バッテリー(例:Tesla Powerwall)を設置し、昼間の発電を蓄えて夜間に使用できます。停電時もバッテリーが自動でバックアップし、家電や冷暖房が使えます。最近は EV充電(Wall Connector)と連携できるモデルが主流 です。

■ こんな家庭におすすめ
•停電に備えて電力を確保したい
•夜間の電気代節約をしたい
•グリッド依存を減らしたい

■ 長所
•停電時のバックアップ電源として安心
•昼発電 → 夜間使用で電力購入が減る
•カリフォルニア州の SGIP補助金が利用可能

■ 短所
•初期費用が高い(特にバッテリー。家のサイズやEVにより2つ以上のバッテリーが必要)
•バッテリー寿命が12〜15年で交換が必要

 

  1. ハイブリッドソーラーシステム(グリッド+独立運転)
    グリッド接続とオフグリッド(独立運転)の両方が可能な柔軟性の高いシステムです。バッテリーとインバーターを搭載し、停電時もバッテリーで家電製品や冷暖房機を使えます。普段はグリッドにもつながっているので、コストと安心のバランスが良いタイプです。

■ こんな家庭におすすめ
•安定した電力供給を維持しかつ使用コストも抑えたい

■ 長所
•グリッド・オフグリッド両方に対応
•後からバッテリー追加が可能

■ 短所
•初期費用が高め
•設置、設定が複雑

家庭用ソーラーシステムを選ぶ際の注意点は、自宅の1日の電力使用量を把握することから始まり、EVの有無(または今後の購入予定)、屋根の条件等いくつか重要なポイントがあります。
ソーラーシステムの導入は、初期費用がかかりますが、長期的なエネルギーコストの削減や環境への貢献ができます。

次号では、ソーラーシステムを導入する際にかかるコストや手順について解説します。

(11/20/2025)

 

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