
筆者/ヒロ山田
クリーンエネルギーと省エネ製品の専門家。環境に配慮した製品による光熱費削減を顧客に提案。米国大手アプライアンスメーカーおよび代理店で給湯器、冷暖房機、ソーラーシステムなど高効率製品の市場開拓を担当。現在は独立し、製品の取付け・交換のメリット説明から各種リベート申請サポートまで一貫して提供している。
73sense(73センス)社、代表。 連絡先: 800-730-4655 / info@73sense.com
加州が推進する「エレクトリフィケーション(電化)」で、
私たちの生活はどう変わる?
カリフォルニア州の「エレクトリフィケーション(電化)」政策とその影響
カリフォルニア州は、クリーンエネルギーと環境保護の取り組みに全米一先進的で、その中でも特に「エレクトリフィケーション(電化)」は重要な位置を占めています。この電化の推進は、ガソリンや天然ガスをエネルギー源とする従来のシステムから、電気を主なエネルギー源に転換することを意味しています。これにより、温室効果ガスの削減やエネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの活用促進が図られていきます。
現在州が推進している主な電化政策は以下の通りです:
▶︎ゼロエミッション車両(ZEV)の普及促進
▶︎住宅の電化(冷暖房や給湯器、充電設備等)
▶︎バッテリー・バックアップとスマートグリッドの導入
▶︎商業施設の電化
これらの取り組みの最終的な目標は、「カーボンニュートラル」(実質的な二酸化炭素排出量ゼロ)を達成し、2035年にはゼロエミッションの電力供給を実現することです。
では州が進めるこれら政策によって我々住民の生活にどんな影響があるのか、それぞれにスポットをあて解説していきます。
まず第一回目はEVの現状についてお話します。

■ 第一回:EV(電気自動車)を買うなら今月中に!
カリフォルニア州では、2011年から今年の上半期までに約235万台の電気自動車(EV)が新車として販売され、これは全米のEV販売台数の約4割を占めています。
新車販売の大きな成長の要因として、州が2010年に導入した「クリーン・ビークル・リベート・プロジェクト(CVRP)」という補助金制度があります。購入者はこれまで最大7,000ドルのリベートを受け取ることができ、多くの人々にEV購入を後押ししました。
ところが昨年秋にこの予算が底を尽き、その後は販売ペースが少し落ちています。 さらに、最大7,500ドルあった連邦税控除についても、つい最近政府が「本年9月末までに契約された分までとする」と発表しました。 現在新車EV購入者へのベネフィットは一部の限られたユティリティー会社による少額リベートだけとなりましたa。 このような状況から、新車EVの購入を検討されている方は今月30日迄に購入手続きを行うことをお勧めします(購入契約書が30日付であれば、納車が10月以降に持ち越しても大丈夫です。)
一方で、EV中古車購入者に対しては、現在も多くのユーティリティ会社がリベートを提供しています。以下に主要なものをまとめます。
次に、家庭向けのEV充電として最も一般的なLevel2チャージャーbを新たに取り付けた場合、ユーティリティ会社から$500~$1,000のリベートを受けることができます。ちなみに、Level2チャージャーの本体価格と設置費用の合計は約$3,000程度です。もしも、家庭の電力設備を240Vへのアップグレードが必要な場合、追加で$2,000程度の費用がかかります。
これらのプログラムは先着順で、予算がなくなり次第終了する可能性があるため、事前に確認しておくことをお勧めします。(または、私どもにご連絡ください)。

a:詳細は利用されているユティリティ会社に確認してください b:240V AC、EV向け壁掛け式チャージャー。通常一時間の充電で約25マイルの走行が可能
現在、EVの購入や充電設備に関する税金控除や州からの補助金が再度発表されるかは不透明です。多くの専門家は、来秋までに新たな支援策が施行する可能性は低いと見ています。このため、EVの購入や充電設備の設置を検討している方は、早期の決定が重要です。
もし、さらに詳しい情報やご質問があれば、いつでも私どもにご連絡ください。
次回は現在取り換えのメリットが高い給湯器についてお話します。
(9/25/2025)









