【ロサンゼルス13日】ロサンゼルスで、ドライバーのいないライドヘイリング・アプリ「Waymo One」がすべての人に利用可能となった。これまでは、ウェイティング・リストに名前を載せている乗車希望者だけが利用可能だった。
これは、Googleの極秘プロジェクトとしてスタートした”ロボタクシー”で、これまで2020年のフェニックスを皮切りにサンフランシスコでも実施されていたサービスがロサンゼルスでも利用可能となる。
Waymo社は12日、Waymo Oneアプリを、サンタモニカ、ハリウッド、USCキャンパス周辺の南ロサンゼルスの一部など、ロサンゼルス広域の80平方マイルで利用可能にすると発表した。
運転席に誰も座っていないWaymo Oneの車両は完全自律走行で、車両はすべて完全電気自動車のジャガーI-PACEで構成されている。UberやLyftなどのライドシェア・アプリのように、ライダーは24時間いつでも車を呼ぶことができる。
Waymoはロサンゼルスでまず、参加を希望した約30万人を対象にサービスを実施。同社によると、これら乗客の平均評価は5つ星のうち4.7で、調査を受けたロサンゼルスのライダーの98%がサービスに満足し、96%が便利だったと回答したという。
米国運輸省傘下の連邦政府機関である道路交通安全局は、Waymoのロボットタクシーのような完全自律走行車は、人間には検知できない衝突の脅威を検知できる可能性があるため、安全上の利点があると報告している。同局によると、これらの自動車は他のすべての自動車と同様に、製造する企業によってテストされ、米国のすべての自動車に適用されている連邦自動車安全基準を遵守しなければならないという。
一方で、一部の監視機関や専門家は潜在的な危険性を警告している。国家運輸安全委員会は、テスラの運転支援技術であるオートパイロットの発売初期に、テスラのオートパイロットシステムに対する勧告を発表した。2018年にカルバーシティで起きた事故に関するNTSBの調査では、メーカーの警告に反してドライバーがシステムに過度に依存していたことが判明した。
昨年、ゼネラル・モーターズ傘下のロボットタクシー・サービス「Cruise」は、カリフォルニア州の規制当局から免許を取り消され、サンフランシスコでのサービスを終了せざるを得なくなった。その背景には、警察や消防当局から、試験段階であるにもかかわらず、緊急事態の際に車両が交通の妨げになっているとの報告を受けたことなどがある、とAP通信は報じている。