【ロサンゼルス3日】人気テレビドラマ「フレンズ」に出演していた俳優のマシュー・ペリーさん(享年54)が2023年に自宅のジャグジーに入っている際、薬物過剰摂取で死亡した事件の裁判がロサンゼルス連邦裁で3日に行われ、ペリーさんとそのアシスタントにケタミンを供給した罪で、元医師のサルバドール・プラセンシア被告に懲役30ヶ月の禁固刑が言い渡された。
シェリリン・ピース・ガーネット連邦地方裁判官はプラセンシア被告に対し、さらに5,600ドルの罰金を科し、直ちに連邦拘置所に収監するよう命じた。
プラセンシア被告は7月、ペリーさんへのケタミン違法供給4件について有罪を認めていた。ビラル・A・エッサイリ連邦検事代理の声明によれば、プラセンシア被告は今年9月にカリフォルニア州医師免許も返上している。
同事件をめぐっては、ペリーさんが死亡する数週間前にケタミンを供給した罪で、プラセンシア被告を含む医師2人が起訴されていた。
ペリーさんは2023年10月28日、ロサンゼルスの自宅にあるジャグジーで顔を下にした状態で反応がなく浮かんでいるところを発見された。ロサンゼルス郡検視局は、死因を「ケタミンの急性作用」と断定し、溺死、冠動脈疾患、およびオピオイド使用障害の治療薬であるブプレノルフィンの影響が寄与要因として挙げられた。
司法取引においてプラセンシア被告は、ペリーさんの死亡約1カ月前に、同俳優に対しケタミン20バイアル(総量100mg)に加え、ケタミン錠剤と注射器を違法に供給したことを認めた。裁判記録によれば、同医師は別の医師マーク・チャベス氏に薬物供給を依頼した事実も認めている。
検察当局によると、プラセンシア被告はペリーさんに4,500ドルで薬物を販売した後、チャベス医師に対し、ペリーさんの「常連」となるため供給を継続できるか尋ねたとされる。
プラセンシア被告は、カラバサスに「マリブキャニオン緊急診療所LLC」という緊急診療クリニックを所有・運営していた。司法取引文書によると、2023年9月、自身の患者の一人を通じてペリーさんを紹介された。プラセンシア被告には「ケタミンを求めており、ケタミン治療に『現金で何千ドルも』支払う意思がある『著名な人物』」と伝えられていた。
ペリーさんの元同居アシスタント、ケネス・イワマサ被告と、連邦当局がストリートディーラーで仲介役を務めたと説明するホーソーン在住のエリック・フレミング被告の判決期日は2026年に設定されている。