国土安全保障省の職員がLAUSDの小学校を訪れるも、学校側が拒否 「司法の令状なしに立ち入る権限ない」と教育長(4/11)

【ロサンゼルス10日】サウス・ロサンゼルスの2つの小学校「Lillian Elementary School」と「Russell Elementary School」に7日、国土安全保障省(DHS)の捜査官が訪れたが、学校側に立ち入りを拒否される事案が起きていたことが分かった。

 捜査官は、連邦政府機関を代表して来たと学校側に伝え、メキシコとアメリカの国境に単独で到着した子どもらのその後の状態を調べる、いわゆる「ウェルネスチェック」を行う目的で来たと述べた。DHSの広報担当者は、学校訪問は移民法の執行とは無関係で、これらの子どもらの安全を確認し、搾取、虐待、性売買などの被害にあっていないことを確認するためのもの、と説明した。

 ロサンゼルス統一学校区(LAUSD)のアルベルト・カルバロ教育長は10日朝の記者会見で、学校長が捜査官に身分証明書の提示を求めたところ、移民税関捜査局ではなく、国土安全保障省の捜査官だと名乗ったと述べた。両校ともに、捜査官は校長に対し、1年生から6年生までの特定の生徒らについて質問したといい、カルバロ教育長は「国土安全保障省の捜査官が小学1年生にどんな関心を持つのか」と疑問視。国土安全保障省は移民税関捜査局(ICE)も管轄しており、ICEの強制送還活動はロサンゼルスの移民コミニティーから懸念を集めている。

 また、カルバロ教育長によると、捜査官らが校長に、個々の生徒のケアテーカーが学校訪問を許可したと説明したが、それは後に虚偽であることが確認された。同教育長は、「どの連邦政府機関も、司法の令状がない限り、学校に立ち入る権限はない」と強調し、今回の件で各校の校長や職員が訓練に沿った判断をしたことを誇りに思うと述べた。

 LAUSDは昨年11月に、「移民の聖域決議」を再認可しており、トランプ政権による移民への取り締まり強化に備え、生徒、職員、保護者向けのプロトコルを制定した。このプロトコルには、移民捜査官が家族に接触した場合の手引きとなる「Know Your Rights(あなたの権利を知ってください)」カードが含まれ、捜査官がキャンパスやその近くに現れた場合の対応について、学校管理者らに訓練を義務付けた。

 LAUSDのウェブサイト「lausd.org/weareone」では、24時間365日、当学校区の方針と “Know Your Rights “の最新情報を提供している。

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