ワクチン完了後でも感染する
「ブレイクスルー感染」
最新情報！
ワクチン接種後の生活で気をつけること
米国疾病予防管理センター（CDC）発表

 

ブレイクスルー感染とは？

コロナウイルスワクチンは感染を100％抑え込むわけではありません。ワクチンは、二つ目（Janssenの場合は一つ目）の接種を終えてから2週間経った時点で接種完了となります。ワクチンは完全に感染を防ぐわけではないため、ワクチン接種を完了してもコロナウイルスに感染してしまう場合があります。これを「ブレイクスルー感染」と呼びます。2021年4月20日の時点でアメリカでは8700万人もの人がワクチン接種を完了しています。その中で、7157件のブレイクスルー感染が報告されています。ブレイクスルー感染は起こりますが、ワクチン接種によって病気の重症化を大幅に減らすことにつながります。

 

Q: ワクチンを受けたことが原因でCOVID-19に感染する可能性はあるの？

A:いいえ。ワクチンを接種してもCOVID-19に感染することはありません。現在認可を受けているワクチンには、COVID-19ウイルスは含まれていないため、COVID-19ワクチン接種でのCOVID-19感染を心配する必要はありません。COVID-19ワクチンは人の免疫システムに働きかけ、COVID-19を引き起こすウイルスをどのように見分け、そしてどのように戦えばよいかを教えます。ワクチン接種後発熱といった症状が起きることがありますが、これは体がウイルスを予防する体制を整えている証拠です。

 

Q:「ワクチン接種が完了した」とみなされるのは？

最後のワクチンを受けてから（PfizerおよびModernaワクチンの場合は2回目の接種、Johnson & Johnsonワクチンは１回の接種）2週間経過した時点で、ワクチンの接種が完了したとみなされます。体が免疫を獲得するまでに時間がかかりますので、ワクチンを打ってすぐに免疫ができるわけではないことを覚えておきましょう。

 

Q: ワクチン接種によってCOVID-19への完全な免疫を得ることができるの？

A: 100％ではありません。現在３社の製薬会社が開発したワクチンが許可されていますが、これらを接種しても100％の免疫を獲得できるわけではありません。これは、ワクチン接種後もわずかではありますが、COVID-19に感染する可能性があることを意味します。しかし、ワクチン接種をすることで、ウイルスによって引き起こされる症状の重症化を防ぐことができます。また、体が免疫をつけるまでに時間がかかり、最後の接種から2週間かかります。

 

Q:ワクチンを接種した後でCOVID-19にかかったら？

A: ワクチンを接種後、COVID-19にかかった人と接触したことがわかった場合、COVID-19の症状が出ないかしばらく様子を見ます。ワクチン接種を完了した人の場合、無症状であれば他人にCOVID-19を移すリスクが低いため、COVID-19にかかった人と接触しても自己隔離をする必要や検査を受ける必要はありません。しかし、COVID-19の症状が出始めたら、適切な検査を受け、他の人にウイルスを移すことのないよう、自己隔離しなければなりません。

 

Q:ワクチン接種によって、他の人にウイルスを拡散することはなくなるの？

A:これに関しては現在はっきりとした回答はなく、研究が続けられています。CDCの3月8日の発表によると、最近の研究では、ワクチンを受けた人は無症状性のCOVID-19にかかる可能性が低く、ウイルスを他の人に感染させる可能性も低いことが示されました。CDCでは、ワクチンを接種した後も、特に公共の場では、マスクを着用し、他の人との接触を控え、定期的に手洗いする習慣を続けるよう呼びかけています。

 

Q:ワクチンを受けた後も、マスクを着用する必要はあるの？

A: ワクチン接種を完了した人は、人混み、あるいは室内で、コロナの重症化リスクの高い方が周りにいる場合は着用が必要です。しかしながら、外での活動やレクリエーションは必要ありません。ワクチンは、マスクを着用してウイルスを拡散しないようにすることに併せて行われる追加の予防対策です。ベストプラクティス（手洗い、マスクの着用、他人と物理的距離をとる）を継続することが必要です。※カリフォルニア州では州保健局長が、「マスク着用義務を6月15日まで解除しない」と発表。　

 

Q:ワクチンを接種したら、通常の生活に戻ることができるの？旅行をしたり、大規模なイベントや集まりに行くことは可能？

A: 今はまだできません。現時点では全員がワクチンを受けているわけではないため、公共の場では引き続きマスクを着用し、他の人と物理的距離をとるのが重要な予防措置になります。またCDCは中規模、あるいは大規模の対面式の集まりは慎むよう呼びかけています。接種完了の方は、アメリカ国内での旅行は再開可能ですが、各地域のガイドラインをしっかり把握する必要があります。海外旅行は、ワクチン接種を完了していない人は避けることが推奨されています。ワクチン接種後も、航空会社、関係各所のガイドラインやルールを理解し、遵守することが大切です。室内の大人数での集まりは今も避けることが推奨されています。ワクチンは全体的な予防戦略の一部に過ぎないのです。

 

 

《CDCでワクチン接種を完了した人に、許可している行動・活動》

• ワクチン接種を完了した他の人々と室内でマスク着用をせず、距離も保たず会うこと。
• COVID-19により重篤な症状に陥るリスクの低い単一世帯の、ワクチンをまだ受けていない人と室内でマスク着用をせず、距離も保たず会うこと。
• 人混みの多いところ以外での外の活動・レクリエーションをマスクなしで実施すること。
• アメリカ国内旅行の再開。旅行前後のコロナウイルスの検査も必要なし。また旅行先から戻った後の隔離も必要なし。
• アメリカから海外へ渡航する際に、出発前の検査及び帰国後の隔離の必要はなし（入国する国が必要としている場合は必須）。
• 特殊なケースを除き、感染した人と濃厚接触の疑いがあるが、症状がない場合には検査および隔離の必要はなし。
• 症状がない場合は定期的なコロナの検査も必要なし。　

ワクチン接種を受けておらず、COVID-19のリスクが高い人がいる、あるいはCOVID-19により重篤な症状に陥るリスクを抱えた人と暮らしている人と会う場合は、接種の済んでいても現時点ではマスク着用と適切な距離をとる予防措置を引き続き行う必要があります。またCDCでは、ワクチン未接種の複数世帯の人々に会う場合には、適切な距離を確保し、マスクを着用することを推奨しています。　

今後も引き続きマスクを着用し、できる限り外出を控えるようにすることが大切となります。

注記：この記事は、米国疾病予防管理センター（CDC）が4月27日にワクチン接種後の生活に関する新たなガイドラインを発表したことを受け、初回の掲載記事を更新したものです。

記事協力：Keiro  www.keiro.org/

 

出典:
Centers for Disease Control and Prevention. (2021a). Myths and Facts about COVID-19 Vaccines. Retrieved from
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/facts.html

Centers for Disease Control and Prevention. (2021b). What to Expect after Getting a COVID-19 Vaccine. Retrieved from https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/expect/after.html

Clopton, J. (2021). COVID FAQ: I got the Vaccine. Is Life Normal Again? Retrieved from
https://www.webmd.com/vaccines/covid-19-vaccine/news/20210203/covid-faq-i-got-the-vaccine-is-life-normal-again

Ianzito, C. (2021). Can You Hug Your Grandkids After Receiving the COVID-19 Vaccine? Retrieved from https://www.aarp.org/health/conditions-treatments/info-2021/hugging-after-covid-vaccine.html