ジャイアンツに松井秀喜が帰ってきた

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テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

Instagram: @terry_itoh

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びっくりしました。まさかの松井秀喜。橋上代行監督の後、私は、次期監督は高橋由伸だと思っていた。かつて巨人の監督を3年間務めながら一度も優勝していない。当時はコーチ経験もないまま、いきなり監督を任された。巨人にもどこか「申し訳なかった」という思いがあるのではないか。だから、もう一度チャンスが来ると思っていたのです。ところが松井秀喜!

2025年6月に長嶋茂雄さんが亡くなった際、松井は「長嶋さんとの約束がある」と語った。その時世間は「巨人の監督になる約束ではないか」と憶測した。でも私は違うと思っていた。阿部監督がいるのに「次は自分だ」と匂わせるようなことを松井が言うはずがない。もっと大きな「野球の伝道師になれ」という約束なのではないかと思っていたのです。

そして今回、背番号は「90」。長嶋さんが監督として最初につけた番号。記者会見で「長嶋さんがいたら何と言うでしょう」と聞かれ、松井は「遅すぎるよ、と言うんじゃないですか」と答えた。たまらないですね。オールドファンには。新聞もテレビもSNSも、キャンプからオープン戦まで「松井、松井、松井」でしょう。でも問題は4月からです。

今の巨人はとにかく打てない。先に2点、3点取られると、もう逆転できる気がしない。丸も坂本も全盛期ではないし、怖い存在のホームランバッターが見当たらない。松井は監督なので自分が打席に立つことは出来ない。そうなんです、負けが続けばテレビカメラはベンチで渋い顔をする松井を映す。想像すると今からちょっと切ない。だから補強は絶対に必要。FAもある。メジャーから日本に戻る選手もいる。そして横浜高校の織田選手のような若い才能も欲しい。ただ、メジャーを夢見る若者にとって、大谷翔平がいるドジャースやメジャーリーグの世界はあまりにも魅力的。巨人だから来てくれるという時代ではない。

来年すぐ優勝しろ、というのは酷だと思います。阪神との7連敗、クライマックスシリーズで横浜に敗れた2試合を見ても、現在の巨人には明らかな力の差がある。他球団だって「松井巨人」には目の色を変えて向かってくるだろう。だから私は、3年ぐらい待ちたい。そして一番見たいのは優勝だけではない。

長嶋監督が松井秀喜を育てたように、今度は松井監督が「第二の松井」を育てる。その若者が東京ドームでホームランを打ち、巨人の新しい時代を作る。それこそが、松井秀喜がジャイアンツに帰ってきた最大のロマンではないか。 メジャーリーガーパワーを見せつけてくれ、松井監督!

 

(11/4/2026)

 

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