裁判所が虚偽広告と判断、カリフォルニア州で「Kars4Kids」の広告禁じる 寄付金がユダヤ系団体に(5/15)

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【ロサンゼルス15日】カリフォルニア在住者なら、一度はこのコマーシャルを見聞きしたことがあるのではないだろうか。
 古くなった車の寄付を募り、そこで得た寄付金を全米の恵まれない子供たちに充てることをうたった慈善団体「Kars4Kids」が、寄付金を10代の若者たちのイスラエル旅行や、同地にある1,650万ドルの建物の建設費に充てていたことから、裁判で虚偽広告および不正競争防止法に違反すると判断され、広告の使用が禁止された。
 裁判記録によると、この慈善団体に寄付したブルース・プターボー氏が、自身の寄付金が「全米の恵まれない子供たち」には使われないと知り、「利用されたと感じた」として「Kars4Kids」を2021年に提訴した。
 プターボー氏は、ラジオで同団体の広告を「何度も」耳にした後、自宅に放置されていた故障車を寄付することに決めたと言う。「慈善家」と自認するプターボー氏は、寄付金が特にカリフォルニア州の困窮する子供たちのために使われるという理解のもと、車を寄付した。
 寄付を行った後、プターボー氏はその資金が、ニューヨークとニュージャージーでユダヤ文化の継承やサマーキャンプに取り組む団体「Oorah」に送られたことを知った。裁判記録によると、同団体の最高執行責任者であるエスティ・ランダウ氏は、裁判官への証言の中で、同団体は経済的に恵まれない子供たちの支援を主な目的としていないと述べ、「Kars4Kids」が「Oorah」の主要な資金源であると証言した。
 裁判所の文書によると、ランダウ氏は、その寄付金が若年層向けの「お見合いプログラム」や、17歳および18歳の若者たちのイスラエルへの旅行に充てられたことを認めた。また、同社は中東での広報活動に43万7000ドルを費やし、その資金を使ってイスラエルに1650万ドルの建物を購入したとも付け加えた。
 裁判所は判決の理由について、当該広告が不作為による誤解を招くものであり、「Kars4Kids」という名称と広告の組み合わせは「一般大衆を欺く可能性が高い」と述べた。
 「Kars4Kids」はこの判決を強く非難し、声明の中で控訴で勝訴すると述べ、本件を「弁護士主導による、私利私欲のために慈善資金を横領しようとする試み」と表現した。広報担当者は、「この判決には重大な欠陥があり、事実を無視し、法律を誤って適用していると考えている。私たちがユダヤ系団体であることは周知の事実で当団体のウェブサイトでもそのことは明確に示されている。ぜひそれを見て自身で判断してほしい」と述べた。
 プターボー氏は、自身はコンピューターに詳しくなく、「広告の指示に従って877の電話番号に電話をかけた」と証言した。本件を審理した裁判官はその主張を支持し、裁判書類の中で「消費者がウェブサイトを確認するのではなく、その番号に電話をかけるのは合理的な行動である」と記した。
 この裁判の結果に伴い、「Kars4Kids」はプターボー氏に250ドルを支払う義務があり、カリフォルニア州での広告掲載を30日以内に中止しなければならない。

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