「危険な犬」に下された安楽死命令 ペット大国カリフォルニアで、一匹の犬の命をめぐり、米最高裁へ(8/24)

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【ロサンゼルス24日】カリフォルニア州で、一匹の犬の命をめぐる裁判が大きな注目を集めている。

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3歳の犬「ブルース」は、複数の人を噛み、重傷者も出したことから「危険な犬」と認定され、安楽死を命じられた。飼い主や動物保護団体は「命を救う別の方法がある」として抵抗し、最後には米連邦最高裁にまで緊急申し立てを行った。

しかし、最高裁が判断する前に、ブルースは安楽死させられた。

この出来事は、「危険な犬をどうするか」という問題だけでなく、カリフォルニアでペットの命とどう向き合うのかという、より大きなテーマで話題となっている。

■ 動物の「安楽死」

ペットの安楽死というと、病気や高齢によって苦しんでいる動物を、これ以上苦しませないために獣医師が行うものを思い浮かべる人が多い。

しかし、動物保護の現場では、もう一つの難しいケースがある。

それが、深刻な攻撃性や危険な行動を理由とした「behavioral euthanasia(行動上の理由による安楽死)」である。

治療によって苦痛を取り除くことが目的の安楽死とは異なり、こちらでは「その動物を生かし続けることで、人やほかの動物に重大な危険が及ぶ可能性があるか」が問題になる。

ブルースのケースもまさにこの問題だった。

■ カリフォルニアでは「噛んだ=即安楽死」ではない

カリフォルニア州では、犬が人を噛んだからといって、必ず安楽死になるわけではない。

一方で、「vicious dog(凶暴・危険な犬)」と正式に認定され、その犬を解放することが公共の健康・安全・福祉に重大な脅威をもたらすと判断された場合、行政が犬を安楽死させることを認める法律がある。

つまり、飼い主の「この子はいい子です」という思いだけでは、判断を覆せないケースもある。

だからこそ、危険性の判断や飼い主側の異議申し立て、そして裁判所による審理が重要になる。

■ 「ペット大国」カリフォルニアが抱える現実

カリフォルニアでは犬や猫を家族の一員として迎える人が多く、動物保護やアダプションの文化も非常に根付いている。

一方で、動物保護施設が抱える問題は決して小さくない。

ロサンゼルスでも2025年、動物保護施設の収容数が増加し、スペース不足によって、健康で譲渡可能な動物まで安楽死のリスクにさらされるとして、LA Animal Servicesが市民に緊急の支援を呼びかけた。

また、サンフランシスコでも犬の収容数や飼育放棄が増え、保護施設のスペース不足が安楽死の増加につながっていると報じられている。背景には、避妊・去勢の減少、大型犬の譲渡の難しさ、飼育費の上昇や経済的な理由による飼育放棄など、複数の要因がある。

つまり、ペットの安楽死は「病気になったから」という個人の家庭内の問題だけではない。

動物保護施設の収容能力、獣医療費、飼育放棄、譲渡先の不足、そして人間の生活環境までが複雑に絡み合っている。

■ アメリカ全体では、それでも減少傾向に

希望の兆しもある。

ASPCAによると、米国の動物保護施設で安楽死となった犬・猫は2025年に約59万7,000匹。2024年から減少し、犬では約32万匹、猫では約27万7,000匹だった。全体の安楽死率も2019年の10%から2025年には8%まで低下している。

「一匹でも多くの命を救いたい」という動きは、確実に広がっている。

ただし、「No-Kill(殺処分ゼロ)」という言葉だけでは解決できない問題もある。

実際、2026年にはカリフォルニア州北部の「No-Kill」を掲げていた保護施設で多数の犬の遺体が発見されるという衝撃的な事件も発生した。動物保護団体からは、救助・繁殖・保護施設などを監督する州レベルの仕組みが必要だとの声も上がっている。

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