【ロサンゼルス7日】サンタモニカ山脈に生息するマウンテンライオンの個体数を調査している生物学者が、今年初めに車にはねられ死亡したメスのマウンテンライオンの胎児から初めて、ネズミを駆除するための「殺鼠剤(さっそざい)」を検出した。
国立公園局によると、6月17日にピウマ・ロードとマルホランド・ハイウェイの間のラス・ヴァージネス・ロードで車にはねられ死亡したP-54は、死亡時に4頭の胎児を身ごもっていた。P-54は、サンバーナーディーノのカリフォルニア動物衛生・食品安全研究所に運ばれ、剖検と検査を受け、肋骨と左大腿骨の多重骨折を含む外傷で死亡したと判断された。
しかし、他の検査では、P-54の肝臓と腹部の脂肪組織から抗凝固性殺鼠剤の化合物が検出されたことがわかった。さらに、4頭の胎児からも同じ殺鼠剤の陽性反応が出た。
生物学者らは、サンタモニカ山脈に生息するマウンテンライオンが、自動車だけでなく、殺鼠剤の危険にさらされていることを示すもの、として警鐘をならす。研究者によると、検査した40頭のマウンテンライオンのうち、4頭の胎児を含む39頭から殺鼠剤が検出されたとしている。
カリフォルニア州のニューサム知事は昨年、特定の有毒な殺鼠剤の使用を禁止する法案に署名したが、生物学者は、P-54とその胎児から殺鼠剤が検出したことから、野生動物を殺鼠剤の被害から守るためのさらなる対策が必要と訴えている。
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