ポイントは「燃費の良いタイヤ」を増やすことです。
タイヤには、走行中に路面との間で生じる**転がり抵抗(Rolling Resistance)**があります。転がり抵抗が大きいほど、車を動かすためにより多くのエネルギーが必要になり、燃料消費も増えます。
そこでカリフォルニア州は、今後販売される交換用タイヤについて、転がり抵抗に一定の上限を設けることにしました。新車に装着されているタイヤは比較的燃費性能が高いため、交換用タイヤも同程度の効率を求めるという考え方です。
2029年から何が起こる?
記事では2029年から新ルールが始まるとされています。
ただし、2029年からすべてのタイヤが突然「販売禁止」になるわけではありません。規制を段階的に厳しくしていく仕組みです。
州は、交換用タイヤの効率基準を導入し、その後さらに厳しい基準へ移行する予定です。今回の最終的な制度では、対象となる乗用車・小型トラック用タイヤについて、段階的に転がり抵抗の基準が強化されます。
ドライバーにはどんな影響がある?
一番気になるのは、**「タイヤが高くなるの?」**という点でしょう。
州側は、効率の高いタイヤによってガソリンなどの燃料消費が減るため、長期的にはドライバーの負担軽減につながるとしています。CECは、カリフォルニア州全体で年間約10億ドルの燃料費削減につながると見込んでいます。
一方、タイヤ業界からは懸念も出ています。
新しい基準を満たすタイヤの価格が上昇する可能性があり、初期段階では1本あたり6~10ドル程度、4本セットで約26ドルの追加コストになるとの試算もあります。
また、業界側からは「選べるタイヤの種類が減るのではないか」「規制対象外の安価な輸入タイヤが増える可能性がある」といった懸念も示されています。
安全性は大丈夫?
ここも今回のルールで重要なポイントです。
単純に「燃費が良ければいい」というわけではなく、雨の日などの路面で十分なグリップ性能を確保する基準も設けられています。つまり、燃費性能だけを追求して安全性を犠牲にすることがないようにする仕組みです。
また、すべてのタイヤが対象になるわけではなく、オフロード用、競技用、冬季用など、一部の特殊なタイヤには例外が設けられています。
日本人ドライバーが覚えておくこと
現時点で普通の乗用車に乗っている人が、今すぐタイヤを買い替える必要があるという話ではありません。
今後カリフォルニアでタイヤ交換をする際に、販売されているタイヤが新しい効率基準を満たすようになる、という制度です。
つまり、
「2029年から車に新しい装置が必要になる」
→ ではありません。
「2029年以降、カリフォルニアで販売される交換用タイヤに、燃費・エネルギー効率の基準が設けられる」
→ こちらが正確です。
なお、今回のニュースについては報道によって開始年の表現に差があります。カリフォルニア州の最終的な規制資料では、規制の段階的な適用について2028年製造タイヤからの基準が示されており、2031年からより厳しい基準に移行する形になっています。
そのため、「2029年に突然タイヤが買えなくなる」というニュースではなく、数年かけて交換用タイヤの省エネ基準を引き上げていく制度と理解するのが分かりやすいです。
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