深刻化する「銅」盗難、今度はマッカーサーパークのオーティス将軍が盗まれる(4/12)

【ロサンゼルス12日】ロサンゼルスのマッカーサーパークに100年以上も前から建っていたアメリカ建国期の政治家、ハリソン・グレイ・オーティス氏の銅像が何者かに盗まれる事件が起きた。

 銅像は、マッカーサーパークのウィルシャー大通り近くの岩の上に建っていた。ハリソン・グレイ・オーティス氏は元軍人で、後にロサンゼルス・タイムズとなる新聞社のオーナーだった。

 この銅像群では、オーティス氏の左側に立っていた兵士が数年前に盗まれ、先月には最新号を掲げたポーズのニュースボーイが盗まれ、今回オーティス氏の銅像の靴だけが残されるかたちとなった。

 ブロンズ製の銅像などが盗まれる事件はカリフォルニア州をはじめ全米で多発している。ロサンゼルスの文化局パブリックアート課のフェリシア・ファイラー課長は、「27年間文化局に勤務しているが、パブリックアートや彫刻がこれほどの頻度で盗まれるのは見たことがない」と深刻視している。

 ファイラー課長によると、5ヶ月ほど前からブロンズ彫刻や盾の盗難が増えており、歴史と尊厳に対する侮辱はロサンゼルスだけではないと話す。

 ロサンゼルス市警では、これらブロンズ類の盗難を抑止するための特別捜査班を組織し、窃盗犯やこれらの盗品を売り買いする組織の特定を急いでいる。  

 ブロンズ像の大部分は銅(copper)でできており、銅は溶かして再鋳造し、金属リサイクル業者に売却すると特に価値が高くなるという。

 ロサンゼルス市内では銅の盗難、特に銅線の盗難が横行し、1,700万ドル以上の被害が出ているため、市議会は2月、銅線盗難に関する情報への報奨金制度を設ける動議を承認した。

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