らら三郎（ららら編集部）
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どんどん狭くなるアメリカの
住宅事情 新しい住宅流行は？
住宅不足と価格の高騰が深刻化するアメリカでは、平均的な住宅の大きさがどんどん縮んでいることが明らかになりました。米国製調査局が発表した２０２３年４月～６月期の最新統計によれば、アメリカの新築住宅における平均床面積が２０１５年の約２３４平方メートルから２０３平方メートルに縮み、実に15％も狭くなりました。
米国の住宅面積縮小を報じたニュースサイト、米インサイダーによれば、直接的な要因として挙げられるのは、建設業者が上昇する新築コストを下げるために、おもにバスルームの数や予備のベッドルームを削減しているからだといいます。狭小化するアメリカの住宅事情の背景には次の４つがあります。①少子高齢化が進行しつつも、未だ人口が増加している ②人口増に追いつかない慢性的住宅供給不足 ③投資・投機による価格高騰に起因する住宅弱者の市場からの締め出し ④米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）の過激な利上げにより、売り手・買い手ともに身動きのとれない状況です。
人口が増えている一方、供給が引き締まり、建築資材や人件費が高騰するなか、新築住宅価格が手の届かないレベルまで上がり、住宅を購入したい層が買えないという現象が起きています。さらにこの問題を悪化させているのが、投資目的の住宅購入やテクノロジー業界で働く富裕層の需要増などに起因する価格の釣り上がりです。本当に住宅が必要な中間層や低所得層、および若年層は、投資のため価格を競り上げる住宅転売屋や、富裕層、高齢層に買い負けしてしまうのです。
また米調査企業のジョン・バーンズ・リサーチコンサルティング（JBREC）によれば、米住宅の１平方フィートあたりの価格は、インフレ調整後の前年比上昇率が１９９２年から１％ずつ上がってきましたが、２０２１年には13％増、２０２２年には10％増となったと示唆しています。事実、２０１８年から２０２３年の５年間で、全米住宅価格の中間値は28万８０００ドルから42万２０００ドルへと急上昇しています。
結果として、住宅価格を下げるには床面積を削るのがもっとも手っ取り早く、新築住宅の狭小化が進むということになるのです。
住宅に関するもうひとつの新しい動きとして、一般的な住宅に手が届かない人たちのために、既存の敷地面積が大きい一軒家の裏庭に、独身者用の小さな賃貸住宅（ミニハウス）を建てるという今までは認められなかったやり方も、多くの自治体で認められるようになってきました。これも抑えておきたい新しい住宅流行となっています。
(10/10/2023)