脚本家組合が15年ぶりにスト突入 スタジオ側との労働交渉で合意に至らず(5/2)

【ロサンゼルス2日】ハリウッドで活躍する脚本家らの組合(Writers Guild of America=WGA)は2日、全米映画テレビ製作者協会(Alliance of Motion Picture and Television Producers=AMPTP)との労働条件の交渉で合意に至らなかったことから、ストライキに突入した。AMPTPは2日朝、さらなる交渉の実施は予定されていないと発表した。

 WGAは、AMPTPの傘下にあるDiscovery-Warner、NBC Universal、Paramount、Sony、Netflix、Amazon、Apple、Disneyと交渉していた。

 AMPTPは、1日夜に発表された声明の中で、「作家への報酬の寛大な引き上げとストリーミング作品に関連した料金制度の改善を含む包括的なパッケージ案を昨晩、脚本家組合に提示した」と説明。WGAは1日、「我々の交渉委員会は公正な取引を行うつもりでこのプロセスを始めたが、作家が直面している存亡の危機を考えると、スタジオの対応は全く不十分」とツイートした。

 交渉の不一致がある分野について、AMPTPは「強制的な人員配置 」と「雇用期間」だと説明。一方、WGAはストライキに至るまでの1ヶ月間、特にストリーミング作品に関連する給与などの引き上げを求めていた。

 今回の焦点の一つとなっているのが、ストリーミング作品に関連した支払い(Residuals)。これは、脚本家、俳優、監督などが、映画、テレビ番組、インターネット作品(ストリーミングサービスやソーシャルメディアなど)で無料で公開される作品が、別のメディアで再放送されたり、再利用されたりする際に、スタジオ、プロデューサー、配給会社から受け取る組合交渉による支払いのこと。

 WGAの交渉チームのアダム・コノーヴァー氏は4月のインタビューで、「作家は10年前より23%も収入が減っているのに、会社は記録的な利益を上げており、この問題について話し合いたい」と述べている。

 作家によるストライキは2007年から2008年にかけて実施されたスト以来で、この時は100日間続いた。4月のストライキ承認投票では、WGAメンバーの98%近くがストライキに賛成した。

 

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