カイザーのメンタル・ヘルス・ワーカーら2,400人がスト突入 患者480万人に影響、労働条件の改善求め(10/21)

【ロサンゼルス21日】「Kaiser Permanente」の施設で働くメンタル・ヘルス・ワーカーら約2,400人が21日、新規契約交渉における労働条件の改善を求めストライキに入った。これらメンタル・ヘルス・ワーカーが加入する組合「National Union of Healthcare Workers」とカイザーとの契約は9月30日で終了している。

 同組合によると、ストの影響を受ける労働者には心理学者、ソーシャルワーカー、精神科看護師、依存症医療カウンセラー、公認臨床カウンセラー、結婚・家族セラピストらが含まれ、サンディエゴからベーカーズフィールドまでの病院、診療所、医療事務所(および)在宅ケアの場で、カイザーの480万人の患者らに医療を提供しているという。

 カイザー社は一年前、州の規制当局と5,000万ドルの和解を成立させたばかりで、同社関係者によると、2020年以降、カリフォルニア州におけるメンタルヘルスケアを拡大するために、セラピストの増員、リソースの追加、患者の待ち時間の短縮などに、10億ドル以上を投資してきたという。

 一方、組合側によると、南カリフォルニアではセラピスト不足が依然として深刻で、カイザー社では会員3,000人に対してセラピストが1人であるのに対し、北カリフォルニアでは2,000人に対して1人であると主張している。この比率のため、セラピストが患者の電話や電子メールに対応したり、治療計画を立てたり、予約の準備をする時間が制限され、”燃え尽き症候群”などを引き起こし、新しく雇われたセラピストが離職する原因になっていると組合は主張している。

 組合側は、カイザーの南カリフォルニア地域で2021年1月から2024年9月までに採用された1,508人の精神保健専門職のうち、4分の1がすでに離職していると主張している。

 カイザー社によると、組合には4年間で18%の賃上げを含むオファーを提示し、さらに「精神保健の専門家が享受している包括的な福利厚生を強化し、セラピストに計画や準備のための患者以外の時間を提供する」としている。

 組合幹部は、2年前に10週間にわたってストライキを行なった北カリフォルニアのカイザー精神衛生労組と同様の合意を求めている。組合はカイザー社に対し、患者の電話や電子メールへの対応、治療計画の立案、社会サービス機関との連絡、予約の準備などの患者ケア業務について、フルタイムのセラピストに週7時間を保証するよう要求。組合関係者によると、カイザー社は現在のところ週4時間しか保証していないという。

 組合はまた、精神医療従事者以外の職員と同等にするための昇給も求めている。また、医師から清掃員まで他の労働者には年金が支給されているにもかかわらず、10年前に新規採用された精神医療専門職には年金が廃止されたと主張しており、その復活も求めている。

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