LAUSD、今秋予定していた生徒へのコロナワクチン接種義務の延期決定(5/11)

【ロサンゼルス10日】ロサンゼルス統一学校区(LAUSD)の教育委員会は10日、この秋に実施予定だった生徒への新型コロナウイルスのワクチン接種義務を延期することを全会一致で承認した。アルベルト・カルバホ教育長も、延期を勧告していた。

 生徒へのワクチン接種義務は、委員会メンバーが昨年、断固として実施するよう求めていたため、今回の全会一致による接種義務延期は拍子抜けする結果だった。投票前のインタビューでカルバホ教育長は、この方向転換は科学的裏付けによるものだと述べている。

 カルバホ教育長は、ワクチン接種義務を少なくとも2023年7月1日まで延期するよう要請した。高学年のワクチン接種率と、校内での感染率が低い現状をその理由にあげた。全米第二の規模を誇るロサンゼルス統一学校区では、コロナ感染について、専門家の意見も取り入れていると話した。

 カリフォルニア州のニューサム知事が先月、次期スクールイヤーまでにワクチン接種を義務化する計画の一時的な見合わせを発表しており、LAUSDもこれに歩調を合わせたかたちだ。

 LAUSDで現在、ワクチン接種を完了した12歳以上の生徒は約78%。この秋にワクチン接種が義務化された場合、ワクチン未接種の生徒約4万人が、対面式授業を受けられなくなる見通しだった。少なくとも1回のワクチン接種を終えた12歳以上の生徒は約84%。

 LAUSDはこの秋から、オンライン・アカデミーを始める準備を進めているが、4万人もの生徒にこの選択を強いることは望んでいないのが実情だ

 なお、LAUSDの教職員に対するワクチン接種義務化は継続する。ここにきて、コロナ感染者数が増加傾向にあるが、学校教室内でのマスク着用を再び義務化するなどのヘルス局によるルール強化は今のところない。

 

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