第九回
建国記念の日 日本はいつ、何の為に建国したの?
皆様は日本がいつどのように、そして何の為に建国したのかをご存知でしょうか。
日本は初代天皇のご即位から始まったとされています。なんと、その歴史2685年! 約1300年前に編纂された、日本最古の歴史書「日本書紀」に、紀元前660年の旧暦1月1日に初代神武天皇がご即位なさったことが記されています。今上陛下で126代目。日本は天皇制のもとに存在し続け、現存する世界中の国のなかで最も長い歴史をもちます。
鎌倉時代や室町時代、江戸時代には幕府があり、統治していたのは将軍(征夷大将軍)ではないのかとお思いの方もいらっしゃることでしょうが、将軍も天皇から任命を受けて就任しています。現制度の内閣総理大臣も天皇から任命を受け、就任します。
2月11日は建国記念の日です。神武天皇ご即位日を新暦に換算すると2月11日だったことから、毎年この日が建国記念の日となりました。
神武天皇はご即位の際、「八紘を掩ひて宇と為む」という詔をお出しになりました。「天の下にひとつの家のような社会を築きましょう」という意味です。こちらが日本を建国した理由です。
ほんとうにそのようなことを神武天皇がおっしゃったのかと疑問に思われる方もいらっしゃいますが、確かに1300年前に編纂された書物にはそのように書かれていますので、少なくとも以降は日本とはそういう理念のもとに存在していると伝え継がれてきました。
江戸時代までの日本は封建社会だったと言われますが、日本の君主は一家のお父さんであるという考え方なので、歴代天皇が残している和歌(御製)は民つまり家族の暮らしを想う歌ばかりです。そして、例えば江戸時代であれば、日本国内の各地を治めていたのは藩主ですが、藩主も領民の暮らしの為にと尽くした記録が多く残されています。
封建社会であってもリーダーが人格者であれば、領民は苦しまずに済みます。
封建社会であれ、民主主義社会であれ、リーダーの在り方が大事ということなのだと思います。
(1/30/2025)
筆者・森 日和
禮のこと教室 主宰 礼法講師
京都女子大学短期大学部卒業後、旅行会社他にてCEO秘書を務めながら、小笠原流礼法宗家本部関西支部に入門。小笠原総領家三十二世直門 源慎斎山本菱知氏に師事し、師範を取得する。2009年より秘書経験をいかし、マナー講師として活動を開始する。
2022年より、廃棄処分から着物を救う為、着物をアップサイクルし、サーキュラーエコノミー事業(資源活用)・外国への和文化発信にも取り組む。
https://www.iyanokoto.com