加州のヘイトクライム33%増加、対アジア系は178%急増(6/29)

【ロサンゼルス29日】カリフォルニア州で昨年、同性愛嫌悪と人種差別に起因するヘイトクライムの報告件数が33%と大きく増加したことが、ロブ・ボンタ司法長官の28日の報告で分かった。一昨年も同様のヘイトクライムが増加傾向だった。

 報告によると、2021年に報告されたヘイトクライムの件数は1763件で、州司法局が1995年に州全体の犯罪データ収集と報告を始めて以来、6番目に高い集計となった。また、同時多発テロ事件の影響を受けて2261件のヘイトクライムが報告された2001年以降で、最も高い数字となった。

 2021年も黒人に対するヘイトクライムが最も多く、2020年から13%上昇して513件が報告された。性的指向の偏見を動機とするヘイトクライムは50%近く増加して303件、アジア系に対するヘイトクライムは178%も増加し、247件となった。

 黒人に対するヘイトクライム報告件数は、昨年の報告書でも同様に31%増加しており、黒人が人口の6%を占めるカリフォルニア州において、根強い偏見があることを裏付けている。また、2020年の報告書では、中国でのコロナウイルスの出現を受け、アジア系に対するヘイトクライムが急増した。

 アジア系に対するヘイトクライムでは、特に高齢者が暴行を受ける事件が多く、サンフランシスコ警察は1月、これらのヘイトクライム報告件数が前年比で567%も急増したと報告した。ヘイトクライムでは、動機の証明が必要になることから、実際の犯罪件数は報告数を大きく上回るとみられる。

 民主党のボンタ司法長官は会見で、「全米と同様にカリフォルニア州でも、パンデミック時に拍車がかかった憎悪の流行が依然続いている」と懸念を示した。会見ではまた、ヘイトクライムの目撃者は警察に通報し、被害者らはメンタルヘルス・サービスなどを利用するよう呼び掛けられた。

 

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