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アメリカ101 第130回
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「世界のスポーツ首都」であるロサンゼルスの表看板ロサンゼルス・レーカーズが成績不振で揺れています。主軸のレブロン・ジェームズに加えてドラフトやトレードで補強した有力選手を擁するプロバスケットボールNBAの“ドリーム・チーム”として、2021-2022年の今シーズンではウェストカンファレンスでの優勝が確実視され、2020年に続いて18回目のNBAチャンピオンシップの可能性もあるとされていました。だがレギュラーシーズンが終わってみれば、33勝49敗という惨めな成績。プレイオフさえ逃した責任を問われてヘッドコーチのフランク・ボーゲルが契約期限を1年残して解任となり、レーカーズの将来も不透明で、今年1月のラムズがスーパーボウルで優勝してロサンゼルスの「City of Champions」の盛名を確実なものとしたものの、次のチャンピン・チーム待ちです。
だが、その関連で、ちょっと立ち止まってみると、ロサンゼルスほど「世界の首都」「スポーツ首都」「世界のエンタメ首都」「映画のメッカ」といった“別名”の多いところなのに気が付きます。今回は、そんなアメリカでの地名のニックネームをめぐる話題です。 たとえばアメリカ最大の都市ニューヨーク市は「ビッグ・アップル」として知られていますが、世界最大の金融業界を抱える「世界の金融首都(Financial Capital of the World)でもあります。Big Appleという呼称の由来は、1920年代の競馬の世界で、ニューヨーク周辺の競馬場では高額な賞金レースが多く、その連想で「ニューヨーク=大金」という意味で使われ、1960年代にニューヨーク市当局が観客誘致キャンペーンで大々的にニューヨークをBig Appleと呼ぶPRを展開してことで定着したとのこと。因みにニューヨーク州は「Empire State」ですが、強大な権威を有する政体を意味する「帝国」のような同州の存在感を表現したものとされており、長年世界最高の高層ビルのタイトルを保持した「エンパイア・ステート・ビル」も、そのような意味合いの命名です。
カリフォルニア州のニックネームは「Golden State」で、もちろん19世紀半ばのゴールドラッシュが由来。サンフランシスコのGoldengate BridgeやNBAチームのGolden State Warriorsは、それに因んだネーミングです。また南部の「ゆるい」生活スタイルを反映したのがニューオーリンズのニックネーム「The Big Easy」で、冬の強風が名物というシカゴは「Windy City」、デンバーの「The Mile High City」は文字通り「標高1マイル(5,289ft)都市」です。「Lone Star State」は、一時はメキシコ領から分離独立した共和国だったテキサス州の誇りを映したもので、州旗や州紋章にも「ひとつ星」が描かれています。
さてロサンゼルスですが、しばらく住むようになると、日本人が慣れ親しんでいる短縮形の「ロス」(Los)がまったく無意味な表現で、アメリカ人には通じないことが明らかになり、「L.A.」(エル・エイ)を口にするようになれば、一人前の「Angelino」(アンジェリーノ)でしょう。そして、愛郷心が湧くならば、誇りをもって「City of Angels(天使の町)に住んでいる」と言えば、格好いいかもしれません。もちろん英語で「The town of Our Lady Queen of the Angels」(われら天使たちの女王=聖母マリア=の町)という17世紀後半の入植者が命名した名称に由来するわけで、たしかに、「Sin City」(罪悪の町)がニックネームのラスベガスの住民よりは、はるかにマシでしょう。映画産業の“業界用語”では、ハリウッドを意味する「Tinseltown」(金ピカの町)という自虐的な別名もありますが、「住めば都、夢の町」である「La La Land」だと思えば、束の間の滞在か永住かにかかわらず、「楽しみにしかず」ということでしょうか。
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著者/ 佐藤成文(さとう しげふみ)
通称:セイブン
1940年東京出身。早稲田大学政治経済部政治学科卒。時事通信社入社、海外勤務と外信部勤務を繰り返す。サイゴン(現ホーチミン市)、カイロ、ベイルート、ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス各支局長を歴任し、2000年定年退社。現在フリーランスのジャーナリストとしてロサンゼルス在住。
(4/12/2021)
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