4421メートルの頂へ再び

Vol.18 ホイットニー山 カリフォルニア州

2020年8月下旬、ホイットニー山4421m へのチャレンジの機会を得た。アラスカを除く、アメリカ本土の最高峰である。10年前にその頂を踏んでいる。その後、何度も入山許可証の抽選に申し込んできたが、見事にハズレ続きだった。5月から10月末までの期間、入山が認められるのは、日帰りハイカー100名、キャンパー60名。合計で一日に付き160名と狭き門だ。今年も性懲りもなく申し込んだが、またしてもハズレ。ところが、一緒に申し込みをした友人は、運よく初めての試みで当選した。その友人は、コロナ禍でどうしても都合がつかなくなったが、「ぜひ使ってくれ」という事で、念願の入山許可証をゲットした。 10年前は4名の友人が一緒だったが、今回はソロでのチャレンジとなった。

トレイルヘッドは、ホイットニー・ポータルと呼ばれる、標高2552メートルの針葉樹が茂る森の中にある。滝から流れ落ちる水と、渓流のせせらぎが、マイナスイオンをこれでもかと言うほど放出し、気持ちの良い空気に満ち溢れている。近隣の街ローンパインから、ポータルへ続く一本道。道の両側に広がる荒涼とした大地。これがまた美しい。古くから多くの西部劇の撮影に使われてきたという。隊列を組む幌馬車と、岩陰に潜み、襲撃の機会を待つアウトローたちの姿が目に浮かぶようだ。
素通りするのは勿体ない。砂埃舞うトレイルに足を踏み入れた。

 

翌朝、午前3時。ヘッドランプを灯し、闇と静寂に包まれたトレイルに向かった。ここから山頂までは、約18キロ、標高差1869メートル。そこが折り返し地点である。孤独に支配されたトレイルに鈴の音が響く。ポータルには、熊注意の警告が至る所にあり、出発前には、車中にあった食べ物や、歯磨き粉など、匂いのするものは全て、備え付けのベアーキャビネットの中に保管してきた。用心に越したことはない。単独行動の場合はなおさらだ。熊よけの鈴と合わせて、熊撃退用のペッパースプレーも準備している。

 

 

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Nick D (ニックディー)

コロンビア、メキシコなど中南米での十数年の生活を経て、2007年よりロサンゼルス在住。100マイルトレイルラン、アイアンマンレースなどチャレンジを見つけては野山を駈けまわる毎日。

「アウトドアを通して人生を豊かに」をモットーにブログや雑誌への寄稿を通して執筆活動中。

http://nick-d.blog.jp


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