【要確認!】2022年カリフォルニア州の新法、最低賃金15ドルや家畜の飼育空間など(1/3)

【ロサンゼルス2日】カリフォルニア州で1月1日から、複数の新しい法案が施行された。そのいくつかは、”全米初”となる内容で、最低賃金が時給15ドルに到達するのもカリフォルニア州が全米初となる。注目されるいくつかの法案の内容を紹介する。

 

▶︎ 家畜の飼育空間定めた「Proposition 12  」 :
食肉メーカーに対し、牛、豚、鶏などの家畜を十分な広さのある囲いの中で育てなければならないことを定めた、この種の法案としては全米で最も厳しい内容で、ガイダンスに沿わない商品の州内での販売も禁じる。法案成立のきっかけとなったのが、繁殖豚の飼育空間基準だったことから、「ベーコンビジネス改革」などと呼ばれ、ベーコン不足に陥る可能性を危惧する販売者・レストランや、準備が整っていない州外の生産者による州当局への訴訟が続いている。

▶︎生ゴミ堆肥化の「上院法案1383」:
環境に有害な温室効果ガス「メタン」の埋立地での発生を減らすため、生ゴミを各家庭が分別し、コンポスト(堆肥化)することを義務付ける。各地方自治体が住民やビジネスへの生ゴミ収集サービスを提供し、コンポスト施設で生ゴミをリサイクルしてバイオ燃料などに変え、有効活用する。生ゴミ、庭の手入れで出たゴミ、紙や段ボール類などの有機廃棄物は、カリフォルニア州の埋立地に捨てられるゴミ全体の半分を占めている。同法案の下、2025年までに有機廃棄物の75%削減と、まだ食べられるのに捨てられる食品の最低20%の削減を目指す。

▶︎最低賃金15ドルへ「上院法案3」:
州としては全米で初めて、従業員26人以上のビジネスで、最低賃金が時給15ドルへ引き上げられる。ワシントンD.C.と、ロサンゼルスやサンフランシスコのベイエリアなどの市ではすでに実施されている。従業員25人以下のビジネスでは、最低賃金14ドルとなり、2023年1月1日から15ドルに引き上げられる。それ以降は、インフレに基づき賃金が引き上げられる。

▶︎ハウジング状況改善へ「上院法案10」:
ニューサム知事が昨年9月のリコール選挙時に約束した内容。公共交通機関の近隣地域に、最高10軒までの住宅を建設する権限を地方自治体に与えるなどの内容。

▶︎労働者の権利保護強化「議会法案701」:
Amazonなど、倉庫で働く労働者に、食事・休憩時間やトイレの使用を妨げるようなノルマを課してはならないことを定めた法案。開示していないノルマの未達成を理由に労働者を解雇することも禁じる。この種の法案は全米初。同法ではまた、縫製産業に対し、時間単位で労働者に賃金を支払うことも義務付けた。

▶︎教育レベル向上へ「議会法案928」:
コミュニティー・カレッジの学生の公立大学へのトランスファー・プロセスを簡素化することで、教育レベルの向上を目指す内容。

▶︎ 商品陳列にジェンダーニュートラル「議会法案1084」:
従業員が500人以上の大規模店舗を対象に、玩具や歯ブラシなどの商品を、性別に関係なく「ジェンダーニュートラル」に陳列することを定めた全米初の法案。衣類は対象外で、「男の子向け」「女の子向け」といった従来のセクション分けは禁じない。違反者への罰金制度をはじめ、実際に施行されるのは2024年1月1日から。

▶︎ 要望時のみストロー提供を拡大「議会法案1276」:
レストランが、客の要望時にのみ使い捨てストローを提供する既存の法案を拡大し、テイクアウト時のケチャップやフォーク類も、客の要望時にのみ提供することを定めた。

▶︎ 警察関連の「議会法案48」など :
ジョージ・フロイド事件をきっかけに生まれた法案で、警官のプロテスターに対するゴム弾使用を制限するなどの内容。また、警官になれる最少年齢をこれまでの18歳から21歳に引き上げるとともに、非武装の民間人を警官が射殺したケースすべてを州司法長官が調査することを義務付ける。

▶︎刑事罰の緩和「上院法案73」:
非暴力的な麻薬関連の犯罪者に対し科されてきた最低限の禁固刑や拘束義務を排除し、裁判官の裁量を増やすことで、保護観察などの代替措置を犯罪者に与える。

 

 

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