Vol.13
なぜクラフトビールをきちんと定義する必要があるのか?
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どうも皆さん、お久しぶりブリューイングです!気付いてみればクリスマスももうすぐそこ。2021年もあっという間に終ってしまいそうですね。
今日は前回のコラムでお話しした『クラフトビールの定義』の続きで、『なぜクラフトビールをきちんと定義しなければいけないのか?』その理由を熱く語らせて頂きます。
ここ数年、日本では大手ビールメーカーが”クラフトビール”という言葉を乱用し、堂々とプロモーションしているのをネット上でよく目にします。これがどれだけおかしな話なのか、分かりやすく僕の崇拝する世界のロックバンド、X Japanを例にして説明しましょう。
大手ビール会社が『クラフトビールを発売しました!』というのは、あのX Japanが『新曲はインディーズバンドとしてリリースしました!』と言っているようなものだ。
チョット何言ってるか分からない!って思ったそこのアナタ。ぜひ最後までこの記事を読んでください。ビールを語る上で、クラフトビールをきちんと定義するのはとっても重要な事なんです。
何度でも言いますが、クラフトビールは大手以外の小規模生産のビールです。つまり大手企業と違い、小さく営んでいるスモールビジネスなんです。決して資本に余裕があるとは言えません。
2020年、新型コロナウィルスが大流行し世界中を震撼させました。小さな資本で経営しているクラフトビール業界も大打撃を受けたのは言うまでもありません。そして今尚コロナの状況は収束していません。
パンデミック以降、閉店してしまったブリュワリーはロサンゼルスだけでも少なくありません。残念ながら、僕がLAで一番好きだったボイル・ハイツにあるブリュワリー、Dry River Brewingも2020年12月31日をもって閉店してしまいました。
このようにコロナ発生からたったの1年で、LAのクラフトビールシーンも大きく変わってしまいました。コロナ渦では大手ビール会社と違い、小規模生産でローカルに支えられながら経営しているスモール・ビジネスの弱点が露になった年でもありました。
『クラフトビールの定義なんて必要ない!』と主張するビール業界関係者も多いですが、このコロナ渦におけるリアルな状況を見れば、きちんと定義する事がなぜ重要なのかが少しは分かって頂けたのではないだろうか。
クラフトビール業界を守るためには、きちんとしたクラフトビールの定義を伝え、なぜ定義する事が必要なのかを理解してもらわなければならない。僕は勝手ながらクラフトビールに魅せられた一人の人間として、それを広める事をミッションとしています。
金銭的な支援は出来ないですが、クラフトビール業界のために何か自分が役に立てる事はないか、ローカル・ブリュワリーをサポート出来る手段はないか、という想いから微々たる力ですが日々クラフトビールの配信をしています。
本日は敬意を込めて、閉店してしまった僕がロサンゼルスで一番愛していたDry River Brewingをご紹介させて頂きました。美味しいビールをありがとうございました!
これ以上、個性溢れる素敵なブリュワリーが街から去るのを見たくはありません。ぜひ皆さんもご近所のブリュワリーを応援してください。
それでは皆さん、酔い一日を。乾杯っ!
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(12/20/2021)
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とも蔵 TOMOZO クラフトビール探検家
LAを拠点に著書やSNSなどでクラフトビールについて日々配信する、とも蔵さん。本業はグラフィックデザイナーで写真家。「クラフトビールはアート。ブリュワーさん一人ひとりがアーティストであり、彼らの世界観が描き出されているんです」
とも蔵さんのコンテンツ: https://linktr.ee/tomozobeer/
とも蔵さんYouTube: https://www.youtube.com/channel
▶︎らららインタビュー記事 「ロサンゼルスで暮らす人々:とも蔵」を読む
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