綾部ときえ: 笑顔を分かち合い、毎日を自分らしく過ごせる場所を

 

綾部ときえ
Tokie Ayabe

日系介護施設「和みホーム」運営

6月初めにコビナ市に地域密着型の日系介護施設「和みホーム」を開設した綾部ときえさん。定員は6名。現在、入居者を募集中。施設での提供内容や料金など詳細はhttps://www.homenagomi.com/
https://www.youtube.com/watch?v=dviulCc96Ss より施設内のツアーを観られる。

 

 6月初め、コビナ市に日本人の運営による、地域密着型の日系介護施設「和みホーム」がオープンした。入居者6名のこの施設は、各入居者のベッドルーム、バス・トイレ、ダイニングルーム、音楽鑑賞や各種クラフトのできるアクティビティルームなどのほか、家庭菜園やビリヤードテーブルなども設置。3度の食事やスナックの提供、病院への送迎、日本人の看護師が同居しての24時間ケアが行われる。
 この施設はもともと綾部さんが住む自宅を日本人の建築家に依頼して1年ほど前から改築。コロナ・パンデミックの影響で工事や政府認可の書類手続きの遅延などで予定より半年遅れではあったが、無事完成。オープンと同時に、入居者の募集もスタートした。「和みホーム」はその名のごとく、広々としたベッドルームやリビングに太陽の光がやさしく降りそそぎ、明るく癒される雰囲気に包まれている。「一日一日を健康で、仲間たちとワイワイと楽しく暮らせる場所を作りたい。私自身、自分が年老いた時に、そんな環境で元気で明るく過ごせたらと思って完成したのが、この和みホームなんです」。日本食中心の身体に優しくバランスの取れた献立をはじめ、ナースによる日本語でのケアなど、アメリカにいながら日本的な安心できる環境づくりを目ざす。
 綾部さん自身は、2003年にロサンゼルスに移住。15年ほど敬愛ロサンゼルス・ヘルスケア・センターに勤務、介護の現場で奮闘してきた。「長年、日系社会のお年寄りの介護にあたり強く感じるのは、長年アメリカで生きてきても、最期は日本人として旅立っていくのだということです。アメリカ人と国際結婚してどれだけ英語が堪能だった人も、晩年は英語がすんなりと出てこなくて日本語でしかしゃべれないとか、英語スピーカーの子どもたちとも会話ができなくて困っているお年寄りがたくさんいるのをみてきました。食事も、年をとるとやっぱり日本人はお味噌汁やお茶漬けが食べたくなるもの。さらに食欲や体力がなくなった時には何が食べたいだろうかと。最期は日本人に戻る。そんな思いがこのホームを作った根底にあります」

 

 介護の仕事を続ける傍ら、コミュニティに向けたボランティア活動を行う非営利団体Nalc USA
ナルク)の会長を務める綾部さん。ボランティアの中には、この和みホームで園芸教室をしたいと手を挙げるメンバーもいるという。「庭にある壁に入居者一人ひとりが手作りしたフラワーポットを飾って、毎日自分の部屋から眺められる企画も!それに、ご近所のファミリーや周辺のコミュニティの人たちもみんな親切で協力的ですし、日本人のナースたちも含め、私たちチームはみんな明るい性格。笑いや笑顔を皆さんと分かち合って、どんどん広げていきたいですね」。

 

 

綾部さんをはじめエネルギッシュな日本人ナースによる細やかな24時間ケアを提供。

 

 

ボランティアメンバーと。「今後のアメリカ日系社会において、日系人のための介護施設の必要性を強く感じ、カリフォルニア州RCFE資格を取得しての開設となりました」(綾部さん)

 

(7/2/2021)

 

 

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