Vol.36 マリファナディスペンサリーの昔と今 法改正後の現状(前編)(11/8/2019)

Vol.36 マリファナディスペンサリーの昔と今

法改正後の現状(前編)

アメリカ全体でマリファナというものは私たちが思っているよりも根強く浸透しています。それはカルチャーの一部と言ってもいいほどではないでしょうか。特にカリフォルニア、ロサンゼルスではマリファナというものが深く人々の生活に浸透しており、様々な目的で使用されています。人によりますが、ロサンゼルスに住んでいる人はマリファナに対してオープンで、マリファナに対して偏見が一切ないといえるでしょう。

 

1996年にカリフォルニアで医療用マリファナ解禁になって以降は、カリフォルニア州発行の身分証明証を所持し21歳以上であれば、マリファナドクターに$25~$50を払って15分ほどで簡単に医療用マリファナカードを発行してもらうことができるようになりました。

 

その後、市民投票の結果、2018年にマリファナが嗜好品として解禁になり、医療用マリファナカードがなくても21歳以上と証明できる政府発行の身分証明証があれば、アメリカ国民でなくてもマリファナディスペンサリーに行ってマリファナ製品の購入、使用ができるようになりました。

 

今でこそ誰でも気軽に入れる明るい雰囲気のディスペンサリーですが、以前はお店自体の雰囲気も、お店のシステムも、マリファナの売り方なども大きく違っていましたし、お店づくり、サービス、スタッフの教育などについても、意識が低く力が注がれていなかったように感じます。「アンダーグラウンド感が強かった」というのが正しい表現かもしれません。

 

私はラッキーなことにマリファナが嗜好品になる前と後、そのトランジションの間もマリファナディスペンサリーで働いていたので、その変化と一部始終を目で見て経験することができました。2018年以前と以後のディスペンサリーを見てきてひとこと言えるのは、「以前のほうがワイルドで奇想天外でなんでもアリでおもしろかった」でしょうか。

 

摘発される違法マリファナディスペンサリー

マリファナ解禁以降、カリフォルニアではディスペンサリーの数が増え続けていると思っている方が多いようですが、実はその逆で、ディスペンサリーの数は減り続けています。以前は州から許可を得ていない違法ショップを含めて4000件ほどのマリファナディスペンサリーがカリフォルニア州に存在していました。しかし、現在では無許可で営業されているディスペンサリーはBureau Of Cannabis(ビューラル・オブ・カンナビス)という大麻取締局に摘発されていっているので、ディスペンサリーの数は以前の10分の1の400件ほどになっています。

©Weekly LALALA

●上写真:違法ショップが摘発されている様子をインスタグラムで見ることができます。

Bureau Of Cannabisのインスタグラム(@bureauofcannabiscontrol)が存在するのですが、大麻取締局が違法ショップを摘発しているポストを見ることができます。そこも大っぴらにシェアするところはさすがアメリカ。

大麻取締局の努力もある中で、今現在も違法なショップは数多く存在しています。カリフォルニア州は州公式のホームページで州から許可を得ているライセンスのあるマリファナディスペンサリーのリストを公表し、人々に違法ショップには行かないように呼びかけています。

●上写真:違法マリファナディスペンサリーに行くのはやめようと呼びかけるインスタグラムでのポスト。

違法ショップはお客さんに税金を課しておらず、ということは州に税金も納めていません。州としてはマリファナに課した税金で多大な税金を得ることができるので、そこは阻止したいと必死なのです。それと同時に違法ショップで扱っているマリファナ商品は、マリファナ、エディブル含め検査機関で検査されていないので安全性も確認できません。

最近、ブラックマーケットで購入された違法ベープで死者が出たということもありました。それもあって人々も検査機関で検査されていないマリファナ商品には抵抗があり、違法ショップでのベープの購入は腰が引けるようですが、高い値段設定と税金でマリファナを薬として必要としている低所者たちは単純に買うことができません。お金がなくて購入できないことが理由で、仕方なく違法ショップで買い物をする人もたくさんいるそうです。

次週は、ワイルドだった、以前のマリファナディスペンサリーの実態を皆さんにお届けします!

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■アドバイザー
Blue Dreamz
茨城県出身、2010年にファッションバイヤーになるのを夢見て、1年間の語学留学でロサンゼルスに渡米。その後メルローズ沿いの洋服屋に販売員/マネージャーとして勤務、独自のセンスを生かし、自身のセレクトシューズブランドADORE Los Angelesを立ち上げ順調に売り上げを伸ばすが、兄の死をきっかけに目的を見失う。人間活動に専念しようと生きていく中でカリフォルニアの医療用大麻というものを知り、日本との大麻に対する価値観の違いに衝撃を受け、自らリサーチを始める。
「日本人にとって大麻はドラッグのイメージがあります。小さい頃から大麻は人生をダメにするドラッグだと教えられる中、世界各国では医療用、そして嗜好用大麻が続々と解禁になっているのはギャップがありすぎるなと思いませんか?大麻にはメリットがあります。大麻によって精神的にも肉体的にも助けられた人をたくさん見ました。大麻先進国の事情をお届けし、少しでも偏見がなくなればと思います」

インスタグラム @bluedreamz

 

 

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