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第二十三回
世界中で食される和食
日本料理のマナーについてお話ししましょう
世界中で食されるようになった日本料理。この度は「日本料理のマナー」について確認して参りましょう。
日本料理を食す時は、香水を付けないようにします。
日本料理の大きな特徴の一つに、素材の持ち味を味わうことがあります。その為、日本料理に「味つけ」という概念はなく、素材の味を引き立て、引き出す目的で調理をします。素材そのものの味がしなくなるほどの味を添加しないことが原則です。このことは、日本料理の味付けが薄いと言われる要因でもありますが、日本人はいただく命への敬意として、食材の持ち味、つまり食材の個性を味わうことを大切にしています。その極みは、刺身のように、まったく味を添加しない調理法があるほどです。「鼻をつまむと味が変わる」と言われますが、香水の強い香りは日本料理の繊細な味を分かりにくくします。
また、香りも味の一つです。「松茸かしら?」など、食す前から私たちは漂ってくる香りで料理を食べ始めます。視覚や味覚よりも先に嗅覚で料理を味わい始めるのです。そのような料理の第一印象の香りも、「返り味(食した後に鼻腔を経由して返ってくる味わい)」の香りも、香水の強い香りは妨げとなってしまいます。
また、日本料理店に行く時は、大ぶりのアクセサリーも控えます。
日本料理の料理人は、食材だけでなく、盛り付けや器にも季節感を取り入れ、「その時だけ」を味わっていただくことに尽くします。その為、器もこの季節だけ、もっと言えば、この日だけに使う器もあります。そのような大切な器を傷つけないようにすることも食す側のマナーです。
日本料理では、直接器に触れることが多い為、アクセサリーで器を傷つける可能性があります。大ぶりの指輪や長いチェーンのネックレスは避け、シンプルで揺れないものを選ぶようにしましょう。茶席でアクセサリーを付けないのは同様の配慮によるものです。
料理人の心尽くしのおもてなしの意図を酌み、それに客が応えることも、日本料理の醍醐味です。

(5/15/2025)

筆者・森 日和
禮のこと教室 主宰 礼法講師
京都女子大学短期大学部卒業後、旅行会社他にてCEO秘書を務めながら、小笠原流礼法宗家本部関西支部に入門。小笠原総領家三十二世直門 源慎斎山本菱知氏に師事し、師範を取得する。2009年より秘書経験をいかし、マナー講師として活動を開始する。
2022年より、廃棄処分から着物を救う為、着物をアップサイクルし、サーキュラーエコノミー事業(資源活用)・外国への和文化発信にも取り組む。
https://www.iyanokoto.com
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