アメリカから地域創生、地元支援 栃木の魅力をPR

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田崎敏弘
Toshihiro Tasaki

栃木県公認とちぎアンバサダー

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■ロサンゼルス在住。海外アメリカから地元栃木へ向けて地域創生や地元支援に取り組む田崎敏弘さん。

日本社会全体が抱える共通の課題である、少子化や人口減少。この深刻な状況に直面している多くの地方自治体では課題に対応するためにその土地ならではの施策を展開しており、栃木県も然り、近年では海外からの観光客増加を促進するインバウンド対策を強化、地域のブランディングや特産品のPRを精力的に行っている。栃木県宇都宮市出身者で、2021年より栃木県公認とちぎアンバサダーに就任した田崎敏弘さんもロサンゼルス在住でありながら、栃木県や地元コミュニティの人々と連携して、栃木県の魅力を様々な形で発信している。

 今年夏には日本に一時帰国し、インバウンド対策を考えるトークセッションに参加。趣のある古い街並みを生かした街づくりについてなど、アメリカに住む外国人視点で積極的な提案を行った。また11月には、地元の伝統工芸品『インテリアちょうちん』の展示販売をサンタモニカで行うプロジェクトも手がけている。「インテリアちょうちんは、火袋に烏山手すき和紙、台座に大谷石(おおやいし)を使用、県産の伝統的素材にこだわった工芸品です。アメリカでの反響を地元に伝えることで、地元の人々が自分たちの伝統文化や名産を新しい目で見直し、自信を持って海外に広めていくきっかけになればと考えています」

 日本にいた頃は、栃木の地域創生やグローバル化の必要性をそこまで感じていなかったと話す田崎さん。「栃木の魅力ともいえますが、災害が少なく、工業産地で県民所得が全国4位、東京にも近く利便性も抜群。危機感を持たなくてもやっていける、のんびりとしているのが特徴。さらによくいわれるのが、ひかえめな県民性。僕自身が地元で育ち、大学も栃木で22歳まで地元にいた『地元完結型』だっただけに、けっして海外志向な土壌ではないことを理解しています」

 大学卒業後は、建設省(現・国土交通省)に入省、筑波に配属され、霞が関での勤務後に退職し、約20年前に渡米。カリフォルニア州立大学フレズノ校大学院で国際関係学の修士号を取得後、ワシントンDCで日系シンクタンク・調査コンサルティング会社に勤務。現在はLAを拠点に米国政治・市場トレンドの分析を専門とする政策アナリスト・市場調査コンサルタントとして活動する。以前は特に郷土愛を意識したことがなかったが、海外に出てみて自分のアイデンティティが栃木に根差していることを強く実感。それにより、本業のアナリスト・コンサルタントでの知識やネットワークを生かしながら地元をサポートする今の活動に繋がった。

 最後にこの機会にぜひ栃木の魅力をと、田崎さんにお願いすると…「まずは世界遺産『日光東照宮』。そして鬼怒川温泉に代表される全国的な温泉地。お水が美味しいのでご飯やお酒、農産物も美味しい。東京から近く、日帰り観光にも便利ですよ!!」と〝ひかえめ〟だが熱くPRしてくれた。

■写真は、サンタモニカでの栃木の伝統工芸品「インテリアちょうちん」の展示販売ポップアップにて。インテリアちょうちんに使用される県産伝統素材「大谷石(おおやいし)」について、大谷石にゆかりを持つ近代建築の世界的巨匠、フランク・ロイド・ライト氏の財団(アリゾナ州拠点)との共同で、アメリカでの大谷石の認知度向上と地元での価値の見直しを図るオンライン講座も開催した。

(12/177/2024)

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