守山未菜実: 撮影現場の職人 フォーカスプラーの役割

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守山未菜実
Minami Moriyama

フォーカスプラー

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撮影現場の職人「フォーカスプラー」として活動する守山未菜実さん。多数の映像作品を手がける。作品 『ELEVATE』 は、 San Jose International Short Film Festival – Best Short Winner などその他賞ノミネーションを獲得。『The lightkeeper』は、 CINE Competition Winner CINE Golden Eagle、Ojai Film Festival – Best Narrative Short winner などを獲得。
情報 https://www.imdb.com/title/tt6520570/awards/?ref_=tt_awd

映画やテレビ、コマーシャルなど撮影現場の役割は細分化されている。その撮影クルーの中で重要な役割を担うのが「フォーカスプラー」の仕事だ。「フォーカスプラーは、アメリカで1st ACとも呼ばれ、日本では撮影助手と呼ばれます。フォーカスプラーの一番重要な仕事は『ピントを合わせること』。カメラで撮影する時にピントが合っていないと画像がボケてしまいますが、そのピントをコントロールするのが大きな役割。撮影監督の指示のもと、撮影機材の特性や各カットの内容、演出など理解・計算して適切なピントを送ります」

 フォーカスプラーになって約5年、撮影部の仕事を始めて10年。ロサンゼルスを拠点にフリーランスで活動する守山未菜実さん。仕事の依頼を受けると他州の現場へも出向いていく。「撮影現場はさまざま。海辺の撮影もあれば、山の崖の上や険しい道へ入っていくこともありますし、撮影が10時間以上にもおよぶ時もあります。そんな過酷な中でも、神経を集中させてピントを合わせるのが私たちの仕事。現場を通して、エネルギーをどこで使うべきかとか、いつ温存しておくかを学ばせてもらっています」

アーティスティックかつ自然な映像は、守山さんたちフォーカスプラーが作りだす完璧な「ピント」のうえで成り立つものだ。

 大阪出身。子供の頃からアートが好きで絵を描いたり写真を撮ったりしていた守山さん。「私の祖母が長寿映画番組『金曜ロードショー』が好きで、よく一緒に洋画を観ていました。一番好きだったハリウッド作品は『オーシャンズ11』。派手なアクションやスパイ映画が好きで、特にこの作品はカジノで繰り広げられる壮大な窃盗劇やアクション、スタイリッシュな演出に引きこまれました。現実ではありえないような世界観の作品にかかわりたいと思うようになりました」

 海外にも興味があり、語学も熱心に勉強していた。高校卒業後は京都の外国語大学へ進学、1年間の留学プログラムで勉強するため休学してLAへ渡った。そこで映画制作の基礎を学び、映画制作の道へ進むことを決心。日本の大学を辞め、再渡米してコミュニティカレッジの映画クラスで学びながら、空いている時間で映画制作のボランティアやインターンに参加。ネットワークを広げていくうちにフォーカスプラーの仕事に出会った。「カレッジの先輩がすごく丁寧にフォーカスプラーの仕事を教えてくださいました。先輩は長時間の撮影現場でも冷静に周りをみて、疲れた顔ひとつしない人でした。先輩の仕事をみて、私もフォーカスプラーとして仕事をしたいと強く思った。撮影現場では、初めてのクルーと一緒に働くこともあり、臨機応変さも求められます。そして、長時間の撮影にも屈しない集中力と体力も必須!もっと体力をパワーアップさせて各地の現場を飛び回っていきたいです」。

(1/17/2023)

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