全米で流行のRSウイルスとは|子どもの入院が急増中

「RSウイルス」

米国疾病対策センター(CDC)は、呼吸器疾患を引き起こすRSウイルスが全米で拡大しているとして、警戒を呼びかけています。呼吸器系疾患で入院する子どもが増加しており、全米の小児病床の使用率は過去2年で最多。オレンジ郡では、郡内で子どものウイルス感染が増えており、入院や救急処置室で治療を受ける件数が記録的な数字に達しているとして、今月1日緊急事態宣言を発表しました。RSウイルスは飛沫や物の表面などを介して感染します。米国の1歳未満の子どもの気管支炎や肺炎の原因はこのウイルスが最も多く、CDCは「5歳未満の子どもが重症化しやすい」としています。国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は「マスクを着けなくなり、人と集まることも増え、感染症の患者が急増する恐れがある」と語っています。

小児病床使用率が過去2年で最多

RSウィルス Q&A

Q. RSウイルスってなに?
乳幼児を中心に冬季に流行するウイルスで、正しくは「Respiratory Syncytial Virus(急性呼吸器感染症)」といい、略してRSウイルス(RSV)と呼ばれています。

Q. 罹患したらどんな経過をたどる?
一般的な経過では、2日~1週間(通常4~5日)の潜伏期のあと、咳、鼻水、発熱などの症状があらわれ、通常7~12日で軽快します。

Q. 感染した場合、どんな症状が出るの?
CDCによると、RSウイルスと新型コロナウイルスは、まったく同じではないものの、よく似た症状を引き起こすそうです。感染すると、以下のような症状が段階的に出てきます。
鼻水が出る食欲の減退くしゃみ発熱喘鳴(ぜんめい):呼吸時にヒューヒュー/ゼーゼーという音が出る

Q. RSウイルスは、とくに何が危険なの?
3歳児以下の乳幼児では、気管支炎や肺炎などを発症することがあり、とくに生後6ヶ月未満の乳児や低出生体重児、呼吸器・循環器に基礎疾患をもつ小児が感染すると呼吸困難など重篤な呼吸器疾患を起こし、入院が必要になることもあるため、注意が必要です。

Q. どんな感染経路?
感染経路は、新型コロナウイルスとほぼ同じ。咳・くしゃみによる飛沫感染や、鼻汁や痰などから手指や物を介しての接触感染が多いと考えられています。

Q. どうして子どもの入院が増加してるの?
ミネソタ州ヘネピンヘルスケアの小児科医は「2~3年間、呼吸器系ウイルスに感染せず、免疫が発達しなかった子どもたちがいる。それで入院が増加している」と話しています。

Q. 予防法はあるの?
RSウイルス感染症にはワクチンがなく、特異的治療法もないので、感染しないように心がけることがもっとも大切です。  ・手洗いを励行する。  ・マスクを着用する。  ・おもちゃ・手すりなどにはこまめに消毒をおこなう。

 

(11/15/2022)

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